ニュース

認知症になったら「家族に負担」が7割超 「生活に支障」が5割超 意識調査

 内閣府は、認知症に関するはじめての世論調査の結果を発表した。認知症の人と接したことがある人は56.4%。認知症の人と接したことがある人は、認知症について前向きなイメージをもっている傾向があり、「医療・介護のサポートを利用して今まで暮らしてきた地域で生活できる」などの肯定的な選択肢を選んだ割合が高かった。
4人に3人が「家族への負担」を不安視
 調査は9月に、全国の20歳以上の3,000人を対象に面接で行い、1,682人(56.1%)から回答を得た。

 認知症の人と接したことがある人は56.4%。そのうち経験したことのある項目(複数選択)は、「家族や親戚にいる(いた)」が43.5%、「親戚の中にいる(いた)」が37.2%、「近所付き合いで接したことがある」が33.5%、接したことがない人は43.3%だった。

 回答者全体の認知症に対するイメージは、「身の回りのことができなくなり、介護施設に入ってサポートを利用することが必要になる」が35.9%、「医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していける」が33.5%。「できないことを自ら工夫して補いながら、今まで暮らしてきた地域で、今までどおり自立的に生活できる」が6.8%だった。

 認知症に対するイメージについて、肯定的な2つの項目を選択したのは計40.3%。接したことがある人だけでみると計45.5%で、ない人の計33.7%を大きく上回った。
 また、仮に認知症になった場合、どのようなことに不安を感じると思うかという質問(複数回答)では、家族や周囲の人への影響を心配する傾向が強いことが示された。回答は「家族に身体的・精神的な負担をかけるのではないか」(74.9%)でもっとも多く、「買い物や料理、車の運転など、これまで、できていたことができなくなるのではないか」(56.8%)、「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」(56.5%)と続いた。

 さらに、仮に家族が認知症になった場合、どのようなことに不安を感じると思うかという質問(複数回答)では、「ストレスや精神的負担が大きいのではないか」(62.5%)がもっとも多く、「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」(51.4%)、「経済的負担が大きいのではないか」(49.9%)、「介護にかかる負担によって自分の仕事が継続できなくなるのではないか」(42.3%)と続いた。
「介護施設の充実」「早い段階のサポート」「家族の負担の軽減」を望む声が6割
 認知症の有病数は現在の500万人から、2025年には700万人に増えると予測されている。認知症への取り組みとして、国や自治体はどのような施策に重点を置くべきだと考えるかを複数回答で質問したところ、「利用できる介護施設の充実」(62.2%)、「早い段階から医療・介護などのサポートを利用できる仕組み作り」(61.2%)、「家族の身体的・精神的負担を減らす取り組み」(60.3%)、「認知症のことを相談できる窓口・体制の充実」(57.9%)という回答が多かった。

 認知症施策を担う厚生労働省は「認知症に対する否定的なイメージを払拭する施策を進め、認知症患者や家族への支援も含めた地域でのサポート体制の充実など認知症対策を強化していきたい」としている。

「認知症に関する世論調査」の概要(内閣府政府広報室 2015年10月)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月18日
人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
2024年04月18日
健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
2024年04月09日
子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
2024年04月08日
【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
2024年03月18日
メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
2024年03月11日
肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
2024年03月05日
【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
2024年02月26日
近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶