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家庭用電気マッサージ器でケガや危害が相次ぐ 情報提供を要請
2016年02月04日
家庭用の電気マッサージ器を使用中に骨折などのけがをしたとの相談が相次いでいることから、国民生活センターは使い方を注意するよう呼びかけている。「体の疲れを癒すための家庭用電気マッサージ器が、大きな事故につながる可能性がある」として、関連業界には適切な使用法を消費者に伝えるよう求めている。
電気マッサージ器による危害は年々増加
マッサージチェアやハンディタイプのマッサージ器など、家庭用電気マッサージ器の出荷台数は過去4年間で増加し続けており、2013年には約195万台に達したと報告された。
「全国消費生活情報ネットワーク・システム」(PIO-NET)には、「電器店でマッサージ器を買って3日目に圧迫骨折した」「フットマッサージ器を使用していたところ、太ももが内出血した」といった相談が、2010~2015年に253件寄せられた。
報告件数は年間40~50件に増加しており、性別にみると女性が70%(176件)と多く、60歳以上が全体の60%(155件)を占めている。医療機関を受診した件数は51.8%(131件)。1ヵ月以上の治療期間を要したと回答した割合は15%(38件)だった。
危害内容は「擦過傷・挫傷・打撲傷」(50件)がもっとも多く、「神経・脊髄の損傷」(19件)や「皮膚傷害」(15件)が続いた。骨折や脱臼、捻挫なども報告されている。
機器の形状別にみると、もっとも多いのはマッサージチェア(83件)で、フットマッサージャー(49件)、ベッド型マッサージ器(22件)、首および肩掛け型マッサージ器(19件)が続く。マッサージチェアでは「神経・脊髄の損傷」(7件)、「筋・腱の損傷」(5件)、「骨折」(4件)が多い。
また、4分の1が量販店などのフロアにある展示販売の場所や宿泊施設、温泉施設などに設置された機器で起きていることが判明した。
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PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)
国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、消費者から消費生活センターに寄せられる消費生活に関する苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集を行っているシステム。
国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、消費者から消費生活センターに寄せられる消費生活に関する苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集を行っているシステム。
使用前に販売店や医師に相談を
同センターは消費者に対し、以下の注意項目を確認するよう呼びかけている――(1)使用が禁止されている疾病等があるので購入や使う前には販売店や医師に確認しましょう
(2)店舗等での体験でも事故が発生しているのでまず機器の操作方法を知りましょう
(3)安全のため、使用する際にはまず弱の強さから始めましょう
(4)身体に異常を感じた時にはただちに中止しましょう
(5)利用の前には機器の状態を確認しましょう さらに事業者に対しては、「安全な使い方が販売・体験時に消費者に十分提供されていない」として、適正な使用につながる正しい情報提供を行うこと、販売員への教育の徹底などを要望している。
半数近くが「取扱説明書を読んでいない」
今回の調査の相談事例の中には、「腰に良いと宣伝されていたマッサージチェアを8日間、全身に使用したところ腰が痛くなったので、整形外科を受診した。取扱説明書に"腰が痛い場合は気を付けてください"と書いてあったが高齢者向けには注意事項がなかった」という事例があった。
また、「首と肩の掛け式マッサージ器を使用していた高齢の母が肩と胸の骨を骨折した」「85歳の義母へのプレゼントとしてフットマッサージ器を購入したが、使用中に強く締め付けられて痛みを感じ、途中で止めたいと思ったが、操作方法が分からずそのまま15分間(ワンセット)続け、脚が赤く腫れ上がった」といった事例が報告された。
量販店や通信販売業者が扱っている家庭用電気マッサージ器のほとんどは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の規制対象となる家庭用管理医療機器だった。同法では、製造販売業者は機器の適正な使い方などについて販売事業者等に情報提供を行う努力義務、販売事業者も機器の適正に使い方などについて購入者等に情報提供を行う努力義務が定められている。
しかし、過去3年以内にマッサージ器を購入、または体験した人1,000人へのアンケートでは半数近くが「取扱説明書を読んだり、販売員などの説明を聞いたりせずに使用した」と回答した。また、マッサージ器の禁忌となる疾病や使用に当たっては医師への相談が必要な疾病があることを「覚えていない」「分からない」との回答は8割に上っていた。
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