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治療と職業生活の両立支援ガイドライン 通院時間の確保など治療への配慮も
2016年03月03日

厚生労働省は、糖尿病患者などが治療と仕事を両立できるよう支援する企業向けガイドライン(指針)を公表した。
ガイドラインでは、糖尿病などの治療を続けながら、仕事優先で治療をおろそかにしないための具体的な施策が示された。企業側に対し、働き手である患者の情報を医療機関と共有し、勤務時間の配慮など適切な措置をとるよう求めている。
ガイドラインでは、糖尿病などの治療を続けながら、仕事優先で治療をおろそかにしないための具体的な施策が示された。企業側に対し、働き手である患者の情報を医療機関と共有し、勤務時間の配慮など適切な措置をとるよう求めている。
治療を中断する理由の1位は「仕事が忙しい」
医療は進歩しており、治療を受けながら仕事を続ける人は増えているが、周囲の理解を得るのが難しく、病気を隠して働く人は少なくない。仕事が忙しいことを理由に治療を中断する人も多い。
糖尿病で通院治療を受けている患者数は316万人。厚生労働省の研究班の調査によると、糖尿病患者のうち年間に51万人が医療機関への受診を中断している。
治療を中断する理由としてもっとも多いのは「仕事が忙しい」(24%)。適切に介入すれば、この中断数を19万人に減らせると予測されており、そのために職場の理解が欠かせない。
治療を中断した患者は、合併症を発症してから、受診を再開することが多い。年間32万人、10年間で320万人の受診中断を防ぐことで、かなりの数の合併症を予防することができるようになる。
ガイドラインが対象としているのは糖尿病、がん、脳卒中、心疾患、肝炎など、治療を継続する必要のある疾患だ。厚労省のウェブサイトで閲覧できる。
治療と仕事を両立するための「両立支援プラン」


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