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ヒトパピローマウイルス感染症予防接種後の相談窓口一覧を公表
2016年04月06日
厚生労働省は4月1日、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口一覧」を公表した。予防接種後に症状が生じた人からの相談に密な対応ができるよう、厚生労働省と文部科学省が連携して衛生面と教育面の両方から支援を行う。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は平成22年11月から子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業として接種が始まり、平成25年4月から予防接種法に基づく定期接種となった。しかし接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛や運動障害など多様な症状が多数報告されたため、平成25年6月以降は積極的勧奨を差し控えている。
平成26年には大臣の記者会見で、症状を呈する患者に対し「身近な医療機関で適切な治療を受けられるよう協力医療機関を各県に少なくとも1つ整備する」ことなど3つの対策が打ち出された。また平成27年の薬事・食品衛生審議会 副作用・感染症等被害判定第一部会では11例すべてでワクチンとの因果関係が否定できない、と認定している。
一方で予防接種後に症状が生じた人からは、救済の審査にかかる内容や医療機関での対応、また生活や教育面でも不自由を強いられている状況などについて相談が寄せられており、相談・支援体制の充実が急がれていた。
そのため平成27年9月の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会では、委員から「患者の学習支援や教育現場との連携等、患者の生活を支えるための、相談体制を拡充すべきである。」との意見があり、厚生労働省と文部科学省が連携して一元的に相談の対応にあたる窓口を設置することとした。
相談窓口は平成28年4月1日現在で全都道府県に1ヵ所ずつと、14の指定都市、19の中核市、その他1市において設置されている。ほとんどの窓口では衛生部局と教育部局に担当が分かれているが、一元的に相談を受け付ける総合窓口は衛生部局に設置する窓口となる。窓口で相談を受けたあとの個別対応は内容や地域の実情に応じて、管轄の保健所や居住市区町村などで行えるため、より密な連携と柔軟な対応が期待されている。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口一覧ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口について
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