ニュース
妊娠11週以下の妊娠届出率が過去最高に ~地域保健・健康増進事業報告
2016年04月15日
厚生労働省はこのほど、平成26年度「地域保健・健康増進事業報告」の結果を取りまとめ、公表した。全国の保健所および市区町村から報告のあった保険施策の状況が明らかにされ、妊娠11週以下の妊娠届出率が集計以来、最も高い値となるなど特筆すべき部分もみられた。
「地域保健・健康増進事業報告」は地域住民の健康の保持や増進のため、保健所や市区町村が行う保険施策について把握した情報を掲載したもの。国や地方公共団体が地域保健施策を効率的・効果的に推進するための基礎資料を得ることを目的に毎年、とりまとめられている。
主な報告事項は母子保健、健康増進、歯科保健などの「地域保健事業」と、健康手帳の交付や健康診査などの「健康増進事業」。
このうち、「地域保健」編の母子保健分野では「妊娠届出の状況」で、「満11週(第3月)以内」に届出をした人が989,201人(91.9%)と平成15年度の集計以来、最も高くなった。
国の母子保健推進のための国民運動「健やか親子21」でも、「妊娠11週以下での妊娠届出率」を参考指標として取り上げており、さらなる届け出数の向上が期待されている。
また「常勤保健師の配置状況」では、平成26年度末の保健所及び市区町村における人口10万人あたりの常勤保健師数は「全国」では19.5人。都道府県別にみると「島根県」が40.2人と最も多く、次いで「高知県」37.5人、「山梨県」35.0人となっている。一方で、最少だったのは「東京都」で10.5人となり、最大の島根県とは4倍近い格差がみられた。いずれの自治体でも保健師の需要は高まっており、厚生労働省は継続的に保健師を確保し、適切に配置するよう求めていく。
一方、「健康推進」編では、健康診査の受信者の状況や健康教育や相談の普及状況、がん検診や肝炎検診の状況などについての調査結果を掲載。
このうち、平成26年度に市区町村が実施した肝炎ウイルス検診の受診者数は、「B型肝炎ウイルス検診」919,362人、「C型肝炎ウイルス検診」917,794人。B型肝炎ウイルス検診で「陽性」と判定された人は6,817人、C型肝炎ウイルス健診において「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い」と判定された人は3,687人だった。肝炎対策で導入された個別勧奨メニューなどが影響し、受診率の向上や早期発見につながっている。
厚生労働省 平成26年度地域保健・健康増進事業報告の概況
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「地域保健」に関するニュース
- 2024年04月30日
- タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月23日
- 生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
- 2024年04月22日
- 運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
- 2024年04月22日
- 職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
- 2024年04月22日
- 【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
- 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月16日
- 塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題