ニュース

世界糖尿病デー(1) 発症しても2人に1人が健診を受けていない

 「世界糖尿病デー」は、国際糖尿病連合(IDF)とIDFに加盟する組織が中心となり、11月14日に開催される。160ヵ国以上の10億人以上の糖尿病患者や医療従事者が、世界糖尿病デーに参加している。
11月14日は「世界糖尿病デー」
 世界糖尿病デーは、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、IDFと世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。

 11月14日は、1922年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。
世界の糖尿病人口は4億1,500万人 11人に1人が糖尿病
 国際糖尿病連合(IDF)は、糖尿病をめぐる世界の現状について、次のように報告している――

2015年の世界の糖尿病人口は4億1,500万人で、成人の11人に1人が糖尿病だ。糖尿病人口は2040年までに6億4,200万人に増加すると予測されている。

糖尿病の90%以上は2型糖尿病で、もっとも発症が増える年齢は40~59歳だ。ほとんどの国で2型糖尿病の有病率は拡大している。

糖尿病の人の2人に1人は自分が糖尿病であることを知らない。成人の糖尿病有病者の46.5%は検査を受けておらず、糖尿病と診断されていない。

世界の4億1,500万人の糖尿病有病者のうち、3分の1以上が糖尿病に起因する何らかの眼の疾患をもっている。糖尿病網膜症はよくみられる糖尿病合併症のひとつで、失明や視力障害の最大の原因になっている。

糖尿病の医療は進歩している。糖尿病を早期に発見し、適切な治療を続ければ、合併症の大部分は予防可能だ。糖尿病網膜症は、先進国でも働き盛りの年代の成人で失明の主な原因となっているが、適切な治療を受ければ80%以上は予防が可能だ。

2型糖尿病の多くは、発症してから5~10年たってから発見されている。糖尿病と診断されたときには、すでに合併症を発症している症例も多い。糖尿病の検査を受け、早期発見し治療を開始することが重要だ。

糖尿病が原因で2015年に世界で500万人が死亡した。6秒に1人が糖尿病によって亡くなっている。

2015年の調査で成人の医療費の12%を糖尿病が占めると推計された。これは71兆円(6,730億ドル)に相当する。合併症を発症すると医療費は格段に増加する。合併症を予防・改善することが医療費の抑制につながる。

1型糖尿病の小児患者数は世界で54万2,000人以上に上る。

子供の2型糖尿病の増加も深刻な問題だ。栄養バランスの不良や運動不足などが原因で、小児の2型糖尿病が世界的に増加している。

2015年に誕生した2,090万人以上の新生児の母親は妊娠糖尿病が疑われる。これは新生児の7人に1人に相当する。
世界糖尿病デーの今年のテーマは「糖尿病の眼」
生活スタイルを改善すれば糖尿病を予防・改善できる
 2型糖尿病の原因は、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」と、膵臓からのインスリン分泌が低下する「インスリン分泌低下」だ。

 糖尿病の原因のひとつは肥満だ。肥満になると、インスリンが十分に分泌されててる場合でも、脂肪組織から出る物質がインスリンの作用を妨げ、肝臓・筋肉・脂肪組織でインスリンが効きにくくなる。

 2型糖尿病のもうひとつの原因は「インスリン分泌低下」だ。膵臓からのインスリン分泌が低下すると、糖尿病を発症しやくすくなる。これには加齢や遺伝的体質が大きく関わっており、日本人を含むアジア諸国ではこれが原因で発症する人が多い。

 糖尿病の発症に、遺伝的体質が影響しているが、多くは食事や運動などの生活スタイルを改善することで予防・改善が可能だ。
糖尿病の危険因子 あてはまる人は注意が必要
 国際糖尿病連合(IDF)は2型糖尿病の危険因子として、以下のことを挙げている。

糖尿病の危険因子 以下があてはまる人は注意が必要

加齢2型糖尿病は40歳を超えると急速に発症が増える。加齢に伴いインスリン分泌が低下する人が多い。

検査を受けていない糖尿病は初期の段階では自覚症状が乏しい。しかし血糖値が高い状態を長く放置すると、全身のあちこちの血管が傷つき、さまざまな合併症を招いてしまう。特に40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることが重要だ。

糖尿病の遺伝因子インスリン分泌低下には遺伝的な要因も大きく関わっている。両親や親族に糖尿病の人がいる場合は注意が必要だ。

高血圧高血糖に高血圧が合併すると、合併症の進行が早まる。血圧を上げる要因は「塩分の多い食事」「肥満」「運動不足」「血管の老化」「交感神経の過剰反応」など。高血圧の治療のための生活スタイルの改善は糖尿病の治療と重なる部分が多い。血圧を上げ過ぎない生活スタイルは糖尿病の人にも勧められる。

運動不足日常的な身体活動を含む毎日の運動時間を30分以上に増やすと、2型糖尿病を予防・改善できる。

野菜や果物野菜が不足すると生活習慣病を発症しやすくなる。野菜類を1日350g以上食べることが目標。これは1食1皿以上・1日5皿分に相当する。

肥満体格指数(BMI)が25を超えると2型糖尿病の発症リスクが高まる。肥満の人は体重を減らし、健診を毎年受けるべきだ。

ウエスト周囲径男性 94cm、女性 80cmを超えると要注意(日本では男性 85cm、女性 90cmが内臓脂肪面積100㎠に相当するとされている)。
世界糖尿病デー(国際糖尿病連合)
世界糖尿病デー公式ホームページ(世界糖尿病デーイベント実行委員会)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2022年10月25日
【特定健診】健診結果から糖尿病リスクを予測するAIを開発 スマホアプリに搭載し生活改善を促す 大阪大学
2022年10月24日
「フレイル」をわずか5つの質問で簡便に判定 フレイル予備群も分かる 保健指導でも活用
2022年10月11日
高齢者の半数以上は「フレイルが心配」 フレイル健診を受診したのは23%と少数 データを活用した「対策モデル事業」も
2022年10月03日
【がん検診】胃カメラ検査は本当に効果がある? 胃内視鏡検査はX線検査よりも効果が高いことを確認
2022年09月27日
有害業務に伴う歯科健康診断の報告
―10月1日から規模にかかわらず、すべての事業場に義務化
2022年09月21日
がん検診受診率の目標を60%へ
職域のがん検診受診「個人単位」での把握検討を―「がん検診のあり方検討会」より
2022年07月26日
2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告 10年間の推移についてまとめ
2022年07月11日
動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を発表 特定健診・保健指導にも影響
2022年06月10日
【レポート】日本保健師活動研究会「20周年記念シンポジウム」
保健師の実践活動から、強みと意義を考える
2022年05月23日
【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
DASHプログラム

トピックス・レポート

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日・約11,000通)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶