ニュース

【2015年国民健康・栄養調査】 世代別に個別化した保健指導が必要

 厚生労働省は「2015年国民健康・栄養調査」の結果を公表した。世代によって栄養摂取状況が異なり、若い世代ほど食事の偏りがみられることが明らかになった。必要な栄養素を摂取し、栄養バランスの改善するために、世代の特徴に合わせた対策が必要であることが浮き彫りになった。

 厚生労働省は「2015年国民健康・栄養調査」の結果を公表した。「2015年国民健康・栄養調査」は昨年11月に、20歳以上の男女計6,655人を対象に実施された。主な内容は下記の通り――
食事で主食・主菜・副菜を揃えていない人が半数
 「食事バランスガイド」では、食事は主食・主菜・副菜を揃えることを推奨しているが、調査では実行できているのは半数であることが明らかになった。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べることが「ほとんど毎日」という人は、男性の47.6%、女性の52.7%だった。

 年代別にみると、男女ともに若い世代ほど低い傾向があり、主食・主菜・副菜を「ほとんど毎日」食べている割合は、30歳代では男性37.9%、女性42.8%、40歳代では男性38.7%、女性45.4%だった。

 主食・主菜・副菜のうち、「副菜」はビタミンやミネラル、食物繊維などの供給源になる。この「副菜」を食べていない人が多く、男性の76.7%、女性の74.0%が「副菜」を摂っていない。特に男性では、30歳代で87.5%、40歳代で81.2%、50歳代で75.4%が「副菜」を摂っていないことが明らかになった。

 また、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を高い頻度摂っている人ほど、炭水化物、タンパク質、野菜の摂取状況は良好で、食事摂取基準などの目標に到達している割合が高いことが分かった。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を「ほとんど毎日」摂っている男性では、(1)炭水化物のエネルギー比率が50~65%に調整されている人が64.2%、(2)タンパク質を60g/日以上の摂っている人が80.4%、(3)野菜を1日に350g以上摂っている人が42.4%だった。
栄養成分表示を参考にしている男性は4人に1人
 ふだん食品を購入する時に、栄養成分表示を参考にしている人の割合は、男性26.1%、女性53.0%だった。食品を購入する際の参考として必要だと思う栄養成分表示については、「エネルギー(熱量)」が男性35.0%、女性50.4%と最多だった。

 その他、参考にしている栄養成分表示は「タンパク質」(男性19.6%、女性29.3%)、「脂質」(男性18.2%、女性34.9%)、「食物繊維」(男性20.5%、女性35.4%)などが多い。「炭水化物」(男性11.5%、女性17.4%)の表示を参考にしている人は少なかった。
世代によって栄養摂取に差がある 若い世代ほど栄養バランスが乱れている
 1日あたりの栄養摂取量の平均値をみると、栄養摂取の状況は、20歳代(タンパク質70.4g、脂質64.1g、炭水化物261.4g)に比べ、60歳代(タンパク質73.3g、脂質57.4g、炭水化物264.6g)の方が栄養バランスが良い傾向があり、若い世代では脂質を多く摂取していることが分かった。

 60歳代が食物繊維を16.8g、カルシウムを560gを摂取しているのに対し、20歳代では食物繊維を12.4g、カルシウムを449gしか摂っておらず、若い世代では多くの栄養素の摂取に偏りがあることが分かった。この世代では、外食や中食の利用割合が高いことも明らかになった。

 特に20?30歳代の女性では栄養バランスが乱れている傾向があり、タンパク質(20歳代63.2g、30歳代60.4g)、カルシウム(同434g、同427g)、食物繊維(同11.8g、同12.5g)、カリウム(同1,893mg、同1,949mg)などの摂取量が、60歳以上に比べて少なかった。
睡眠時間が6時間未満の人が増加 睡眠時間が短いほど睡眠の質は低下
 睡眠時間が足りていない人が増えている。1日の平均睡眠時間は「6~7時間」がもっとも多く、男性33.9%、女性34.2%だった。「5~6時間」の割合も、男性29.4%、女性32.5%に上る。1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は過去10年で増加している。

 睡眠時間が短い人ほど睡眠の質の低下を実感しており、6時間未満の人では「日中、眠気を感じた」(男性 44.5%、女性 48.7%)、「睡眠全体の質に満足できなかった」(男性 25.4%、女性 26.6%)といった問題を抱えていることが分かった。

 睡眠の確保の妨げとなっていることは、20~50歳代男性では「仕事」がもっとも多く、20歳代31.6%、30歳代39.3%、40歳代40.5%、50歳代32.2%に上った。 20歳代女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」(33.3%)ともっとも高く、30歳代女性では「育児」(32.7%)、40歳代女性では「家事」(27.9%)が多かった。

 十分な睡眠の確保するためにもっとも必要としていることは、20~50歳代の男性では「就労時間の短縮」、20歳代の女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中しない」、40歳代の女性では「家事のサポート」、60歳以上の男女では「健康状態の改善」が多かった。
男性の19.5%、女性の9.2%が糖尿病
 「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、男性 19.5%、女性 9.2%で、昨年の調査に比べ増えた。男性では50歳代 18.8%、60歳代 22.9%、70歳以上 27.3%、女性では50歳代 6.5%、60歳代 11.4%、70歳以上 17.2%が該当する。この調査の「糖尿病が強く疑われる者」は、HbA1cが6.5%以上、または糖尿病の治療を受けている人が該当する。

平成27年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省 2016年11月14日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2021年01月28日
【オピニオン新連載】行動科学に基づいた保健指導スキルアップ~対象者の行動変容を促すには?~
2021年01月26日
【新型コロナ】接触確認アプリ「COCOA」がコロナ禍の心理的ストレスを減らす? 企業従業員の心の健康をどう守るか
2021年01月26日
スマホの運動アプリで1日の歩数を2000歩増やせる 新型コロナをきっかけに、運動への関心は世界中で拡大
2021年01月26日
「脂肪肝」が手遅れになる前にスマホで早期発見 病気と認識してきちんと対策 「脂肪肝プロジェクト」を始動
2021年01月26日
人工知能(AI)を活用して大腸がんを高精度に発見 医師とAIが一体となり、がん検査の見逃しをなくす
2021年01月25日
「内臓脂肪」と「腸内細菌」の関係を解明 肥満の人で足りない菌とは? 腸内細菌のバランスが肥満やメタボに影響
2021年01月25日
コレステロール高値で高尿酸血症のリスクが上昇 メタボリックシンドロームと高尿酸血症の関連に新たな知見
2021年01月19日
【新型コロナ】「自然」の豊かな環境でストレスを解消 心の元気を保つために「行動の活性化」を
2021年01月18日
「和食」が健康にもたらすメリットは多い 5割が「健康に良い」、8割以上は「和食が好き」
2021年01月18日
冬の「ヒートショック」を防ぐ6つの対策 急激な温度変化は体にとって負担 血圧変動や脱水に注意
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,795 人(2021年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶