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データヘルス改革推進本部 次世代の保健医療システムが2020年に稼働
厚生労働省は、国民の健康管理の推進に向け、医療や介護などのデータの一元化を目指すため、同省内に「データヘルス改革推進本部」を設置し、第1回会合を1月12日に開催した。ICTを用いた次世代型の保健医療システムを2020年度から本格稼働させたいという考えを示した。
ビッグデータを活用 医療・介護の全情報を集約

世界初の大規模なICTシステムを構築
予防医療の促進や生活習慣病対策、新たな治療法の開発や創薬、医療経済の適正化、介護負担の軽減や、介護環境整備の推進における問題解決の分析や政策立案、実施を効率的に行うために、自治体、保険者や医療機関などが保有する健康・医療・介護データを有機的に連結し、柔軟性があり、機能する情報システムを整備する必要がある。
改革推進本部は、塩崎厚労相を本部長に厚労省幹部が参加。改革推進本部の下に、(1)予防・健康データ ワーキンググループ、(2)医療データ ワーキンググループ、(3)介護データ ワーキンググループ、(4)ビッグデータ連携・整備 ワーキンググループ――が設置される。
本部長の塩崎恭久厚労相は「データヘルス改革により、健康・医療・介護の中身のパラダイムシフトを実現する。世界初となる大規模なICTシステムを構築し、次世代型の保健医療システムを2020年度から本格稼働させたい」と意気込みを語った。

審査支払機関は「業務集団から頭脳集団へ」
会合では、2016年9月から議論が行われてきた厚労省「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」の報告書も公表された。
審査支払機関には、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と都道府県ごとに設置された国民健康保険団体連合会(国保連)の2つがある。例えば、患者の加入先が企業の健康保険組合や協会けんぽの場合は、審査支払機関は支払基金。国民健康保険や後期高齢者医療の場合は国保連と取り扱いが分かれている。
報告書では、審査支払機関の効率化、統一化が必要とした上で、ビッグデータの活用に対応できるシステムや組織になるべきと提言している。
審査支払機関には、レセプト電子化により、年間約20億件のビッグデータの集積が進んでいる。これらの情報は、各個人の健康・医療・介護に関する詳細な情報が記載された、優れたデータベースだ。しかし現在は、それが分散管理されており、個別にも十分に活用できているとはいえない状況にある。
審査支払機関については、ビッグデータとICTを最大限に活用することで、保険者と協働しつつ、医療の質の向上に寄与するいわば「頭脳集団」として、その役割を再定義すべき時期に来ている。
保健・医療・介護のデータベース間で連携 既存インフラを最大限活用
現行法では、審査支払機関は「審査支払」の実施自体を存在意義とする「業務集団」にとどまっているが、保険者の信頼を得るチェック機能を効果的・効率的に果たすことだけにとどまらず、その保有するデータを十分に活用した役割を果たすことが期待されているとしている。
具体的には、保健・医療・介護のデータベース間で連携が行えるよう、支払基金・国民健康保険中央会がIDを発行し、このIDを利用して保健医療に関するビッグデータを活用していくことを検討する。
さらに、健康・医療・介護のデータベースを連結しプラットフォーム化していくことで、個人の保健医療に関するヒストリーをビッグデータとして民間を含めた専門家が分析することを可能にし、医療の質向上につなげる。その際、既存インフラを最大限活用する観点から、支払基金・国保連で管理・運営・分析などを行う
個人情報保護も重要な課題医療・介護情報を集約するシステムの実現には、個人情報が集積されたデータベースを安全に匿名化し、共有する技術の確保が不可欠だ。一人ひとりが納得するかたちで情報が収集されるよう、国民的な合意形成を図ることも重要になる。 第1回データヘルス改革推進本部(厚生労働省 2017年1月12日)
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