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玄米は苦手? 「もち米玄米」なら大丈夫 血糖値スパイクを抑えられる
2017年06月01日

玄米が健康に良いことはよく知られているが、「硬くて食べにくい」と敬遠する人は少なくない。そんな人でも、「もち米玄米」なら無理なく食べられる。
「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。食後に血糖値が上昇する「血糖値スパイク」も抑えられることが判明した。米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。
「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。食後に血糖値が上昇する「血糖値スパイク」も抑えられることが判明した。米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。
玄米が糖尿病を改善 血糖値を下げる効果
玄米は、稲の果実である籾から籾殻のみを取り除いたもの。これに対して、ふだんよく食べている精白米は、玄米からぬかと胚芽を取り除いて胚乳のみの状態にしたものだ。
玄米には食物繊維やビタミンB群をはじめ、豊富な栄養成分が含まれている。近年では、低GI(グリセミック インデックス)食品としても注目される。
玄米の外皮は栄養価が高いため、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれる。
ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素で、ビタミンB群が不足するとエネルギー不足になって疲れやすくなる。しっかりエネルギー消費をしてやせやすい体を作るためにも不可欠な栄養素だ。
また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあるが、玄米にはどちらも含まれている。豊富に含まれる食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えてくれる。
それに加えて、琉球大学の研究チームは、玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)-オリザノール」に、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果があることを明らかにした。この栄養成分が脳の中枢に作用し、食欲を抑えることも解明。玄米を食べると、自然に食事の好みが変化し、食べ過ぎを抑えられるという。
玄米を摂取すると、2型糖尿病の発症予防の効果を得られるという研究も報告されている。
玄米食は「完全食」とも言われており、玄米だけでも十分栄養が取れるほどだ。明治時代に、ビタミンB1を含まない精米された白米が普及し、副食を十分に摂らなかったため、「脚気」(かっけ)が流行した。脚気により多くの患者が出て、「国民病」と呼ばれていた。
脚気の原因はビタミンB1の欠乏だ。当時の海軍軍医だった高木兼寛氏が、食事に玄米食を取り入れ、発症数を大きく減らすのに成功したのは有名な話だ。
「もち米玄米」はおいしく、無理なく続けられる

「もち米玄米」で血糖値が低下 コントロールが改善
聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科は、16人の2型糖尿病患者を対象に、「もち米玄米」を8週間摂取してもらう研究を行った。
「もち米玄米」を摂取することで、24時間平均血糖値および食後血糖値が改善することが明らかになった。
研究チームは、参加者を精白米を摂取するグループと、「もち米玄米」を摂取するグループに無作為に分けた。
その結果、「もち米玄米」を摂取したグループでは、HbA1cが7.5%から7.2%に改善した。食後30分の血糖値も、193.8mg/dLから172.3mg/dLに改善。
インスリンの分泌の程度を示すCペプチドの曲線下面積の増加分(incremental AUC)も、31.3ng/ml・minから22.1ng/ml・minに改善した。
2型糖尿病患者30人を対象とした別の試験では、「もち米玄米」は24時間の日内血糖変動も改善することが判明。
嗜好性に関するアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示した。
「もち米玄米は血糖日内変動や食後の血糖値を改善することが明らかになった。食感についても患者の受け入れも良く、長期の継続も可能」と、研究者は述べている。
「もち米玄米」は、玄米よりも食べやすく、血糖値が上がりにくくなり、糖尿病の改善に効果がある。ぜひ「もち米玄米」を試してみてはいかがだろう。
第60回日本糖尿病学会年次学術集会White rice, brown rice, and risk of type 2 diabetes in US men and women(Archives of Internal Medicine 2010年9月13日)
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