ニュース
「乳がん」早期発見のきっかけはセルフチェック 定期的な検診が決め手
2017年10月25日
乳がんに気付くきっかけは「セルフチェック」だった。早期に乳がんが発見された患者の37%は年1回の乳がん検診を受けていた――乳がんを早期発見するために検診を定期的に受けることが大切であることが、ドコモ・ヘルスケアの調査で明らかになった。
10月は「乳がんの早期発見・早期治療」を啓発、推進する「ピンクリボン月間」となっている。これに合わせ、ドコモ・ヘルスケアが乳がん患者の女性160人を対象にアンケート調査を実施した。
乳がん患者のコミュニティサイト「イルイル」や乳がん患者会、ピンクリボン団体などの協力を得て行ったもので、乳がんに気付いたきっかけ、検診、情報収集、治療と仕事の両立についてなどの調査内容になっている。
乳がんに気付いたきっかけは4割が「セルフチェック」
乳がんに気付いたきっかけを尋ねたところ、「セルフチェック」(40%)、「マンモグラフィ検査」(37%)という回答が得られた。次いで「超音波検査」(19%)、「視触診」(14%)となっている。「その他」と回答した人の中には「たまたましこりに触れて気付いた」というコメントもみられた。
ステージ0~1の早期に乳がんが発見された患者に、乳がんと診断される前の検診受診頻度を聞いたところ、「年1回」(37%)、「2年に1回」(16%)、「年に2回以上」(3%)となり、合わせて56%に上る。早期発見者の半数以上が乳がん発見前に2年に1回以上の頻度で検診を受けていたことが分かった。
乳がん発見後、病気に関する情報をどこから収集したか尋ねると、「インターネット」(63%)という回答が、「主治医」(78%)の次に多かった。「同じ病気の患者のブログ」(31%)が、「看護師など主治医以外の医療者」(25%)を5ポイント上回っており、医師・看護師と同程度に、インターネット上の情報を頼りにしているということが分かった。
79%が罹患中も仕事に就いている 「仕事は続けた方が良い」
乳がん発見前に仕事をしていた人に、乳がん発見後の就労状況について聞いたところ、「休職せず仕事を続けた」(46%)、「休職して復職した」(24%)、「やめたが再就職した」(9%)となり、79%が罹患中の現在も何らかの仕事に就いていることが分かった。
また、乳がんを経験した立場から、他の女性たちに勧めたいことについて聞いたところ、「仕事は続けた方が良い」というアドバイスが多く集まった。
乳がん発見後、治療と仕事の両立について誰に相談したか尋ねると、「会社の上司・同僚」(36%)が多く、「主治医」(30%)、「家族」(28%)と続いた。18%は「誰にも相談していない」と答えており、「友人・知人」(12%)よりも多かった。
マンモグラフィ検診の定期的な受診が大切
湘南記念病院乳がんセンター長の土井卓子氏は今回の調査について、「セルフチェックは、女性が自分のからだの変調に気がつくための大切なきっかけです。タイミングとしては、月経前は乳房が張るので、月経後が適切です」とコメントし、「しかし、セルフチェックで発見できるのは、ある程度大きくなってからのがんなので、小さながんを早期発見するためには十分ではありません」と解説している。
「セルフチェックだけで安心するのではなく、マンモグラフィ検診も定期的に受診することをお勧めします」と、土井氏は指摘している。
さらに、「がんと診断されると、仕事をやめてしまう人もいますが、現在では、さまざまな治療法が出ています。仕事を続けながら行える治療も増えているので、常に前向きにとらえましょう」とアドバイスしている。
カラダのキモチ(ドコモ・ヘルスケア)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「がん」に関するニュース
- 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年03月25日
- 【乳がん検診】40歳になったら毎年受けるとリスクは最小限に 乳がん検診は進歩している
- 2024年03月18日
- がん予防で1兆円超の経済負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が必要 子宮頸がんはHPVワクチンで予防できる
- 2024年03月05日
- 業態別の健康課題を見える化 「働き世代の健康データブック」を公開 企業の健康経営を支援 協会けんぽ京都支部
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年03月04日
- 中年成人の肥満・メタボの解消にオンラインの保健指導が役立つ 社会的サポートは多ければ多いほど嬉しい
- 2024年02月16日
-
「HPV検査単独法」子宮頸がん検診に4月から導入
厚生労働省「がん検診検討会」より - 2024年02月13日
- 早期の腎臓病の段階から医療費は増加 健診受診者の5.3%が早期慢性腎臓病 就労世代8万人の健診データを分析
- 2024年02月05日
- 大腸がんは早期発見でほぼ100%治療できる 検査や治療は進歩 検診を受けることが大切