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足立区が特定健診対策にネットを活用した実証事業 KDDIなどと協定

 東京都足立区は、特定健診の未受診者への対策として、2015年度よりKDDIと連携して簡易血液検査キットを使ったプレ健診を実施している。このほどKDDIやウェルビーと新たに協定を結び、今年10月よりインターネットを活用した特定保健指導の実証事業を行うと発表した。
スマホのアプリを活用し特定保健指導の中断者を減らす取り組み
 特定保健指導は最大で6ヵ月間のプログラムとなり、食事・運動の記録や指導者と連絡をとる負担感により、途中で中断してしまう人が少なくない。特に足立区は「特定保健指導」の利用率が伸び悩んでおり、2015年度は大規模市区町村の国民健康保険平均では「12.2%」であるのに対し、足立区では「8.5%」と低い。

 実証事業では、検査結果の通知や保健師とのメッセージのやりとりについて、両社の提供するインターネット上のサービスを活用することで利用者の負担感を軽減し、特定保健指導を完遂できるようになると期待している。

 具体的には、KDDIのセルフ健康チェックサービス「スマホdeドック」と、ウェルビーの生活習慣病の自己管理および療養指導支援アプリ「Welbyマイカルテ」、同アプリと連動した体重計を活用する。

 対象となるのは、同区の国民健康保険被保険者のうち特定保健指導が必要な20人で、期間は6ヵ月の予定。

 専用の在宅検査キットと、スマートフォンやパソコンから検査結果を確認できるWEBサービスを組み合わせることで、健康診断を受診する時間がなかなか取れない環境でも気軽に素早く健康チェックを行うことができ、健康状態の改善までのサポートを実現する。

保健師と簡単にやりとりができる環境を提供
 同実証事業の参加者は、「特定健康指導」の開始前に「スマホdeドック」で現在の健康状態を把握する。次に、日々の食事の写真や体組成計で測定した体重などのデータを「Welby マイカルテ」に登録する。さらに、体重の変化や日々の食事内容に対し、保健師と「Welbyマイカルテ」のメッセージ送信機能でコミュニケーションをとりながら生活習慣の改善に取り組む。終期には、再度「スマホdeドック」で健康状態の改善効果を確認する。
 同サービスで健康状態を定量的かつ気軽に把握できる仕組みを作るとともに、「Welby マイカルテ」で簡単にデータの登録や保健師とのやりとりができる環境を提供することで、実証事業参加者のモチベーションを維持し、プログラムの完遂率向上につなげる狙いだ。

 KDDIの「スマホdeドック」は、専用の在宅検査キットを活用し、健康診断を受診する時間をとれない人でも健康チェックを行うことができるサービス。2015年夏からサービス提供を開始。2017年には全国42市区町村を含む45団体に提供している。

 また、ウェルビーの「Welbyマイカルテ」はPHR(Personal Health Record)サービスで、糖尿病患者などを対象に、血糖値や血圧などの自己管理を支援するスマートフォン向けアプリ。医療機器メーカーと連携することで、各計測機器のデータをアプリへ反映するなど、治療支援のためのPHRサービスとして利用されている。

インターネットを活用した保健指導の実証事業を行います(足立区 2017年9月28日)
KDDI
ウェルビー
[Terahata]
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