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厚労省が禁煙支援マニュアルを増補改訂―社会情勢の変化に合わせて内容をアップデート

 厚生労働省健康局健康課はこのほど、禁煙を希望する人を支援するときの実施方法や留意事項などを解説した『禁煙支援マニュアル』を増補改訂した。平成25年の第2版改訂から5年が経過していることから、その間の科学的な進展や社会環境の変化に沿う内容となっている。

 同マニュアルは地域や職域の健診、保健指導といった保健事業の場で、短時間で禁煙支援に取り組むための知識や方法を、保健医療従事者に習得してもらうことを目的としている。

 平成18年に初版が策定され、平成25年に第2版の改訂が行われたが、その後、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた受動喫煙対策の強化や、受動喫煙と肺がんとの関連が科学的に示されるなど受動喫煙を取り巻く情勢は大きく変化。またアイコスやグロー、プルームテックといった新しいたばこも登場した。そのためこのような社会変化を受け、このたび新しい科学的知見を追加したマニュアルに増補改訂したもの。

 印刷教材は知識編と実践編、資料編で構成。知識編では、非感染性疾患(Non-communicable diseases: NCDs)対策における禁煙支援の意義や、健診・保健指導などでできる短時間支援法、受動喫煙に関する健康影響と情報提供を解説している。一方、実践編では「カウンセリング学習」として、短時間支援(ABR方式)や標準的支援(ACB方式)の取り組み方、喫煙に関するフィードバック文例集、短時間の禁煙アドバイス(お役立ちセリフ集)などを掲載。資料編には質問票や喫煙者用ワークシートなども載せている。

 内容によっては、印刷教材に連動した映像教材が用意されていることもあり、動画の視聴も合わせて学習を進めることができる。学習時間の目安は2~3時間とされている。

 厚生労働省は健康日本21(第2次)において、生活習慣病の重大な危険因子である喫煙により健康被害を減少させるため、「喫煙をやめたい人がやめる」ことを数値化した成人喫煙率12%(平成34年度)の数値目標を設定している。そのため同マニュアルが保健医療の専門職のみならず、職場の衛生管理者や地域の保健事業担当者などにも利用され、より効果的な禁煙支援が行われることを期待しているという。

禁煙支援マニュアル(第2版)増補改訂版(厚生労働省)
[yoshioka]
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