ニュース

アブラナ科野菜は「台所のドクター」 心疾患、脳卒中、がんのリスクを低下

 キャベツ、ダイコン、小松菜、ブロッコリー、白菜などの「アブラナ科野菜」を食べている人は、がん、心疾患、脳血管疾患などの死亡リスクが低下するという研究が発表された。
栄養価の高いアブラナ科野菜
 キャベツ、ダイコン、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ・・・これらはどれも「アブラナ科野菜」だ。アブラナ科野菜は「台所のドクター」と言われるほど栄養価の高い。

 そのアブラナ科野菜を多く食べている人は、死亡リスクが低下することが、日本の代表的なコホート研究である「JPHC研究」で明らかになった。

 野菜は低カロリーで食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれるだけではない。体に良い作用をするフィトケミカルも含まれている。ぜひ肥満や糖尿病などの生活習慣病の対策に活用したい食品だ。

 なかでもアブラナ科野菜には、抗がん、抗炎症、抗酸化活性の作用がある「イソチオシアネート」を多く含まれる。イソチオシアネートは野菜などの辛味成分だ。

関連情報
アブラナ科野菜をよく食べると死亡リスクが低下
 「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。

 国立がん研究センターなどの研究チームは、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪の11保健所管内に、1990年1993年に在住していた45~74歳の男女8万8,184人を対象に、2014年まで追跡して調査した。

 食事についての調査では、アブラナ科野菜(キャベツ、ダイコン、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ、カラシ菜、フダンソウ、タクアン、野沢菜漬け、白菜漬け)の摂取量を調べた。

 16.9年(中央値)の追跡期間中に、1万5,349人が死亡した。アブラナ科野菜の摂取量により5つのグループに分類して比較したところ、全死亡リスクは、アブラナ科野菜の摂取量がもっとも少ないグループと比較して、もっとも多いグループで、男性では14%、女性では11%低いことが明らかになった。
がん、心疾患、脳血管疾患の死亡リスクが低下
 さらに、アブラナ科野菜の摂取と疾患別の死亡との関連を調べたところ、男性では摂取量がもっとも多いグループで、死亡リスクはがんが16%低下した。有意差は出なかったものの、心疾患でも17%、脳血管疾患では11%、死亡リスクがそれぞれ低下した。

 女性では、アブラナ科野菜摂取量がもっとも多いグループで、死亡リスクは心疾患が27%、外因が40%、それぞれ低下した。有意差は出なかったものの、脳血管疾患でも22%低下した。

 個別のアブラナ科野菜と全死亡リスクの関連についても調べてみたところ、男性ではブロッコリー、たくあん摂取量がもっとも多いグループで、女性ではダイコン、ブロッコリー摂取量がもっとも多いグループで死亡リスクが減少した。
アブラナ科野菜のイソチオシアネートの効果
 なぜアブラナ科野菜の摂取量が多いと死亡リスクが低下するのか? 研究チームは「アブラナ科野菜にはイソチオシアネートや抗酸化性ビタミンなどが多く含まれている」と指摘している。それらの抗炎症および抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性がある。

 喫煙状況別で調べたところ、男性では喫煙状況に関係なく、アブラナ科野菜摂取量が多いグループで全死亡リスクが低下する傾向がみられた。イソチオシアネートを多く摂取することで、たばこに含まれる発がん物質前駆体の活性化が抑制されているとみられる。

 女性では、アブラナ科野菜の摂取量が多いと、心疾患や脳血管疾患の死亡リスクが低下することは、過去の研究でも確かめられている。「イソチオシアネートの抗炎症作用によるものである可能性がある」と、研究者は説明している。

 また、アブラナ科野菜を摂取することで、認知機能の改善効果、抑うつの予防効果を得られるという報告もあり、そのことが事故死や自殺予防につながっている可能性もあるという。

 厚生労働省の食事ガイドラインでは、野菜摂取の目標量を「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」としている。

 毎日食べる野菜にアブラナ科野菜を含めると、健康増進の効果を得られそうだ。
多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
Cruciferous vegetable intake and mortality in middle-aged adults: A prospective cohort study(Clinical Nutrition 2018年4月24日)
[Terahata]

「栄養」に関するニュース

2021年12月21日
肥満や糖尿病の人ではFGF21の抗肥満作用が低下 朝食抜き・毎日飲酒・喫煙といった生活スタイルが影響
2021年12月20日
牛乳を毎日コップ1杯飲んでいる女性は脳卒中のリスクが低下 牛乳に血圧を下げる効果が?
2021年12月13日
早食いは肥満や体重増加につながる ゆっくり味わってよく噛んで食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月13日
【新型コロナ】子供の心の実態調査 食事を食べられなくなる「神経性やせ症」の子供がコロナ禍で増加
2021年12月09日
野菜摂取量向上を図るプロジェクトが最優秀賞 「第10回健康寿命をのばそう!アワード」生活習慣病予防分野
2021年12月08日
「今求められる女性の健康サポート」へるすあっぷ21 12月号
2021年12月06日
【新型コロナ】腸内環境を健康にして感染対策 食物繊維で善玉菌をサポート 腸内菌が感染と重症化を防ぐ?
2021年11月30日
牛乳やヨーグルトなどの乳製品が高齢者の骨折や転倒のリスクを減少 カルシウムとタンパク質を十分に摂ることが大切
2021年11月30日
内臓脂肪が多いと認知症リスクが上昇 脳の異常も発生 内臓脂肪を減らせばリスクを減らせる
2021年11月30日
【新型コロナ】感染拡大の影響で食生活も変化 食育への関心は高いが実行がともなわない 食育を紹介したピクトグラムを作成
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶