ニュース
厚労省 長時間労働が疑われる事業場の監督指導結果を公表
2018年08月22日
厚生労働省はこのほど、平成29年度に長時間労働が疑われ、労働基準監督署が監督指導を行った25,676事業場の指導結果を公表した。対象となった事業場のうち、11,592事業場(45.1%)で違法な時間外労働を確認。このうち実際に1カ月あたり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は8,592事業場にのぼった。
監督指導の対象となったのは、各種情報により、時間外・休日労働数が1カ月あたり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重労働で過労死等に係る労災請求が行われた事業場。今回公表された監督指導は平成29年4月から平成30年3月までに行われた。
報告によると、監督指導を受けた25,676事業場のうち、全体の約7割にあたる18,601事業場で労働基準関係法令違反があった。
このうち、違法な時間外労働が認められたのは11,592事業場で、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月80時間を超えていたのは8,592事業場。中には月200時間を超えていた例も264事業場で認められている。
ほかにも賃金不払残業が1,868事業場であり、過重労働による健康障害防止措置の未実施が2,773事業場で確認された。これらはすべて法令違反にあたり、是正勧告書が交付されている。
一方、過重労働による健康障害防止措置を講じるよう指導したのは20,986事業場。具体的には長時間労働を行った労働者に医師の面接指導を受けさせる、時間外・休日労働を月80時間以内に削減させる、といった指導が行われている。
また労働時間の把握が不適正だった4,499事業場については、厚労省で定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(労働時間適正把握ガイドライン)に適合するよう求めた。
厚労省は今後も、長時間労働の是正に向けた取り組みを積極的に行っていく考え。
報道発表「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」(厚生労働省)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年04月25日
-
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠 - 2024年04月22日
- 【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
- 2024年04月18日
- 人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月18日
- 健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
- 2024年04月09日
- 子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
- 2024年04月08日
- 【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
- 2024年03月18日
- メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
- 2024年03月11日
- 肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
- 2024年03月05日
- 【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
- 2024年02月26日
- 近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も