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感染症研究所が風疹患者の急増に注意喚起
2018年08月27日
国立感染症研究所感染症疫学センターはこのほど、首都圏で風疹患者が急増していることについて緊急情報を出した。今年に入ってから8月12日までの患者数は139人で、第32週(8月6日―12日)は東京都と千葉県で患者数が突出して急増。妊娠初期の妊婦が風疹に感染すると赤ちゃんに障害が出る恐れもあることから、注意を呼び掛けている。
妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児にも風疹ウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。近年では2013年に大流行があり、1年間で患者数は1万4,000人を超えた。
そのため「風しんに関する特定感染症予防指針(厚生労働省告示第百二十二号:2014年3月28日)」では、「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、平成 32年度(2020年)までに風疹の排除を達成すること」を目標としてきた。
結果、2013年の流行以降は、2014年319人、2015年163人、2016年126人、2017年93人と減少傾向に。2018年も当初は大きな増加がなかったが、第30週(7月23日~29日)に19人、第31週(7月30日~8月5日)に22人と増加し、第32週(8月6日~12日)には39人と急増した。
地域別でみると千葉県及び東京都からの報告が多く、第32週までの累積報告数はそれぞれ41人及び39人と、全体の58%がこの2都県からの報告となっている。国外での感染が推定される症例は10人(7%)と少なく、国立感染症研究所によると、すでに首都圏を中心に国内流行が発生し始めている可能性が高いという。
今回は報告患者の91%にあたる127人が成人で、男女別の内訳は男性107人、女性32人と男性が3倍近く多い。過去のワクチン接種に関する方針の変更で、定期接種の対象から外れるなどした30代後半から50代の男性の風疹抗体保有率が低いという調査結果もあり、このような現状が男性の患者増加を裏付けている。
そのため国立感染症研究所は、30~50代の男性で風疹にかかったことがなく、風疹含有ワクチンを受けていない、または接種歴が不明な場合は、早めに麻疹風疹混合(MR)ワクチンを受けておくことを勧めている。
また妊娠中は風疹含有ワクチンを接種できず、接種後は2か月間、妊娠を避ける必要がある。今回報告されている患者数を見ると女性では20代が多くなっていることから、女性は妊娠前に2回の風疹含有ワクチンを受けておくこと、さらに妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者に対するワクチン接種を行うことが重要だと呼び掛けている。
国立感染症研究所 首都圏における風疹急増に関する緊急情報(2018年8月15日現在)
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