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風しんの今年の累計患者数1000人突破、いまだ増加中

 国立感染症研究所はこのほど、4月7日までの1週間で71人が風しんと診断されたとの報告を受け、今年に入ってからの累積患者報告数が1202人になったと公表した。
 2013年を中心に大流行したときと増加のペースが似通っており、各自治体や関係省庁では抗体検査や予防接種をうながすなど注意を呼び掛けている。
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定期接種の機会を持てていない年代も
 風しんは、ワクチンを接種すれば95%以上の確率で、免疫を獲得できると言われる。

 日本では、先天性風しん症候群の発生を目的に、中学生の女子のみが定期接種の対象であった時期(1962年4月2日~1979年4月1日生まれ)があり、また男女ともに、中学生時での定期接種が開始されても、個別接種であったため接種率が低い年代(1979年4月2日~1987年10月1日生まれ)もある。

 その後は男女ともに幼児期での定期接種が始まり、2000年4月2日以降は2回接種となった。2006年度からは、麻疹風疹混合(MR)ワクチンが定期接種に導入され、1歳と小学校入学前1年間の幼児の2回接種になっている。

 このような制度変更によって、2019年4月1日時点で40歳以上の男性と57歳以上の女性は、一度も定期接種の機会を持てていない。また1回の接種だけで免疫が不十分な年代や、接種制度があっても未接種率が高い年代もある。

抗体検査&予防接種を受けられるクーポン券
 結果、4月10日までの集計で2019年の患者報告数は男性が943人、女性が259人となっており、30代から50代までの男性、特に40-44歳、45-49歳の男性が際立って多い。

 2017年度感染症流行予測調査における抗体保有率でも、30代後半から50代前半の男性で低くなっていることが分かる。

 そのため厚労省では、抗体検査の受検率向上への取り組みを、2019年度より3か年計画で段階的に行う(1962年4月2日から1979年4月1日までに生まれた男性が対象)。具体的には、無料で抗体検査を受けられ、抗体がない場合は予防接種が受けられるクーポン券を自治体から順次送付するというものだ。

 1年目(2019年4月~2020年3月末まで)は検査希望者が医療機関等に集中して混乱を招くおそれがあるため1972年4月2日から1979年4月1日生まれの男性に対象者を絞っているが、1年目にクーポン券が届かない1962年4月2日から1979年4月1日生まれ男性については、居住する(住民票のある)市区町村に問い合わせれば、クーポンの発行が可能だ。

 風しんに感染すると「電車や職場など人が集まる場所で感染させる可能性がある」、「妊娠早期の妊婦に風しんを感染させると、赤ちゃんが先天性風しん症候群になる可能性がある」ことを伝え、抗体検査と予防接種をうながしている。

 特に2013年を中心に発生した風しんの流行では、45人の先天性風しん症候群が報告されており警戒が強められている。

[yoshioka]
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