ニュース

がん治療と就労の両立支援に、産業医を積極的に活用 アフラック生命保険株式会社に聞く

 日本におけるがん保険のパイオニアとして、がんに関する啓発活動に力を入れてきたアフラック生命保険株式会社(以下、アフラック)は、社員が「がんや病気にかかっても安心して自分らしく働く」ことへの支援を積極的に行っている。
2.jpg
アフラック生命保険株式会社人事部の
田中美樹さん(右)と浜野直也さん(左)
がんを経験した社員によるコミュニティ「All Ribbons」
 アフラックのがん治療と就労の両立支援の取り組みのひとつに、2017年12月に発足した、がんを経験した社員によるコミュニティ「All Ribbons」がある。

 がんの経験を活かし、「治療と仕事の両立に悩む社員へのサポート(ピアサポート)」、「両立支援に関する制度や運用・啓発活動への協力」、「アフラックのビジネスやサービスに対する貢献」の3つが活動の柱となっている。

 ピアサポートの中にはがんに罹患した社員が「All Ribbons」のメンバーに働き方やキャリアに関する相談ができるという仕組みがある。相談する社員、「All Ribbons」の双方のプライバシーに配慮し、匿名で相談することも可能としている。その場合は、間に産業医、産業保健スタッフなどが所属する健康管理室が仲介し、匿名処理を行っている。

 「健康管理室で社員からの相談等で知り得た情報は、本人の了承がない限り、産業医、産業保健スタッフ限りで取り扱っています。その意味でも健康管理室が適任と考えています。」 (人事部・田中さん)

健康経営の取り組みとして、産業医を積極的に活用する
 アフラックでは会社がリーダーシップをとり、健康管理室と人事部の労務担当者との連携体制を構築、社員の健康を管理。がん治療と就労の両立支援においても、社員からの相談受付のほか、会社の業務、職場環境、制度を理解している立場として、社員、上司、さらに人事部への総合的なサポート・アドバイスを三位一体で行っている。 1.png
アフラックにおける両立支援のための連携体制

 従業員数50名以上の企業であれば産業医の選任が労働安全衛生法で定められてはいる。産業医の役割は、心身の健康の悩みを抱えている社員に対し、専門的な立場から指導・助言を行うことであるが、アフラックのように産業医を上手に活用している例は未だ少ない。

 健康経営という考えが日本においても広まりつつある中、産業医や産業保健スタッフの積極的な活用は今後の企業経営においてますます重要になると考えられる。アフラックのこうした取り組みは、大いに参考になるだろう。

■文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。
[保健指導リソースガイド編集部]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶