厚労省、国保保険者インセンティブ評価指標の変更案を通知
今年度は昨年度の保険者努力支援制度の評価指標を踏まえ、以下のような改正を行うよう案が示された。
まず保険者共通の指標としている共通指標②「(1)がん検診受診率」では、平成30年度の実施においてがん検診の未実施や、一部実施の組合が多数見受けられたことから新たに「胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頚がん、乳がんの5つのがん検診すべてを実施しているか」(15点)という評価項目を追加。この結果、「がん検診受診率」は2項目から3項目になり、加点は30点から45点に増やす。
また「(2)歯科検診実施状況」については、昨年度の「歯周疾患(病)検診を実施しているか」ではなく、「歯科検診を実施(*)しているか。*歯周疾患(病)検診、歯科疾患(病)検診を含む」という表現に変更する。
共通指標③「重症化予防の取組の実施状況」については、「⑤ 全ての対象者に対して、文書の送付等により受診勧奨を実施していること。また、実施後、対象者の受診の有無を確認し、受診が無い者には更に面談等を実施していること」と、「⑥ 保健指導を受け入れることに同意した全ての対象者に対して、面談、電話又は個別通知を含む方法で実施していること。
また、実施後、対象者のHbA1c、eGFR、尿蛋白等の検査結果を確認し、実施前後で評価していること」について昨年度の加点10点から25点に引き上げる。この結果、「重症化予防の取組の実施状況」は全項目の合計が50点から80点に引き上げられる。
「被保険者の予防・健康づくりの実施やその成果に対し、ポイント等を付与し、そのポイント数に応じて報奨を設けるなど、被保険者による実施を推進する事業を行っているか」を20点、「その際、PDCAサイクル等で見直しを行うことができるよう、インセンティブが被保険者の行動変容につながったかどうか、効果検証を行っているか」を35点にして、点数の配分を変える。
また共通指標⑤「重複・多剤服薬者に対する取組」では、「重複・多剤投与者の抽出基準を設定し、対象者を抽出したうえで、その者に対して服薬情報の通知や個別に訪問・指導するなどの取組を実施しているか」と表現を変え、加点を35点から50点に増やす。
ほかにも国保の「固有指標」で一部、見直しが行われている。今年度の評価指標の確定版および予算規模については、秋ごろに「保険者インセンティブの実施通知」内で知らせる予定。
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