ニュース
「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」を3年ぶりに改訂(日本乳癌学会)
2019年08月08日

日本乳癌学会はこのほど「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」(金原出版)を3年ぶりに改訂し、2019年版として発行した。乳がん治療の現状を反映し、2016年版を改訂したもので、患者に理解を深めてもらうことが目的。
2019年版のポイント
今回の改訂では、医師向けの『乳癌診療ガイドライン2018年版』と、日本における診療の現状が反映された。
患者が納得のうえで治療を受けるには、患者自身も標準治療や治療方法について正しく理解し、医師と相談しながら自分に合う治療を選択することが重要として、患者やその家族向けに分かりやすく情報がまとめられている。
同書は「原因と予防について」、「乳がん検診と診断の進め方」、「乳がんと診断されたら」、「治療を受けるにあたって」などの章で構成。章ごとにさらに細かく分類し、全64項目にわたってQ&A方式で説明している。
「原因と予防について」の章では乳がん発症リスクに関する項目などを分かりやすく掲載。遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関連するBRCA遺伝学的検査の重要性について、国内の現状もふまえて解説している。
また「治療を受けるにあたって」の章では「腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)」の必要性、乳房温存手術後の放射線療法について説明。仕事と治療の両立や経済的負担についても触れ、患者の負担を少しでも減らすヒントを伝えている。
ほかにも「薬物療法について」の章では、従来の抗がん薬やホルモン療法薬に加えて、ある特定の分子の機能を制御する分子標的治療薬について解説。患者の病状や生活に配慮し、最適な医療を選択できるよう、さまざまな角度から情報を掲載している。B5判、240ページ、2,300円(税別)。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2023 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「がん」に関するニュース
- 2023年08月07日
- 【がん予防の経済効果】 がんのリスク要因を減らして1兆円超の経済的負担を軽減 生活スタイルや環境の改善が重要
- 2023年07月31日
- どんな女性が乳がん検診を受けていないかを調査 がん検診の受診率を高めるために何が必要?
- 2023年07月10日
- 活発に体を動かしている高齢者は生活の質が高い 運動・身体活動は老化を遅らせる最適な方法
- 2023年07月05日
-
行政事業レビュー「がん診療連携拠点病院機能強化事業等」
「がんの死亡率減少」と「仕事と治療の両立」が議論の焦点に - 2023年06月26日
- 「高齢社会白書」2023年版を発表 高齢者の社会参加が健康や生きがいを生み出す 各地の取組みも紹介 内閣府
- 2023年06月19日
- 肺がんを検診で早期発見・治療すると生存率と医療費が改善 京都市が市民を対象に調査 肺がんは早期発見がカギ
- 2023年06月12日
- 【子宮頸がん】日本はHPVワクチン接種と検診の実施率が低い 子宮頸がんの罹患率と死亡率がともに増加
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月08日
-
「誰一人取り残さない」第4期がん対策推進基本計画が閣議決定
がん検診受診率目標60%、デジタル化の推進 - 2023年04月04日
- 乳がん検診の「マンモグラフィ」は効果がある 革新的なマンモグラフィ検査も開発 女性の負担を軽減