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トラック運転者の長時間労働を改善、厚労省がポータルサイトを開設

 厚生労働省はこのほど、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」を開設した。
 他業種と比べて長時間労働になりやすいトラック運転者の労働環境を改善するのが目的で、国土交通省が開設している「『ホワイト物流』推進運動ポータルサイト」と連携しながら、荷受企業とトラック運送事業者双方に役立つ情報を提供する。


国民向けと企業向けそれぞれに情報を提供
 貨物を運転するトラック運転者は、荷主や配送先の都合によって長時間の荷待ち時間(貨物の積み込みや荷下ろしの順番を持つ時間)や、手荷役(手作業での貨物の積み込みや荷下ろし)が発生しやすい。

 そのため長時間の労働を強いられやすく、業界の取引慣行などからトラック運送事業者の努力だけでは改善が困難とみられている。

 運転者の長時間労働を改善するためには、荷主企業とトラック運送事業者の双方が協力しあい、取引環境の適正化委に取り組むことが必要として、今回、厚労省が情報提供や意識向上を目的にポータルサイトを立ち上げた。

 ポータルサイトは国民向けと企業向けに分かれてコンテンツを提供。国民向けでは「トラック運転者の仕事を知ってみよう」として、統計や写真から労働状況を紹介している。情報は随時アップされ、今後は動画での紹介なども行う予定だという。

 また宅配便の再配達を減らしたり、引っ越しの依頼は混雑時期を避けて早めに依頼したりするなど、国民一人一人が協力できるポイントもまとめている。

 一方、企業向けでは、荷主と運送事業者それぞれに役立つ情報を「いろいろ宝箱」として紹介。Q&A方式でよくある質問についてまとめているほか、今後は簡単に労働環境について自己診断できるページもオープンさせる。
厚生労働省と国土交通省が連携し、よりホワイトな労働環境へ
 さらに国土交通省でも、国民生活や産業活動に必要な物流機能を安定的に確保するための「ホワイト物流」を推進しており、独自にポータルサイトを立ち上げている。

 「ホワイト物流」推進運動は「トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化」、「女性や60代以上の運転者なども働きやすい、より"ホワイト"な労働環境の実現」に取り組むもので、企業に運動への参加表明をうながしている。

 厚生労働省と国土交通省はお互いに連携して、今後も情報提供に努めるほか、随時、全国でセミナーも開催。荷主や運送事業者の担当者に広く参加を呼び掛けている。

[yoshioka]
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