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健保組合加入者の41%が肥満 「リスクなし」はわずか21% 業態によって健康状態に差が 健保連が調査
2020年02月11日
健康保険組合連合会(健保連)はこのほど、2017年度「業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査」の結果を公表した。
建設業では高血圧や糖尿病の治療薬の使用率が高いが、メンタル系疾患の有病者率は情報通信業が高い。肥満該当者の割合をみると、最高と最低では25%の開きがあるなど、業態によって健康状態に差があることが明らかになった。
建設業では高血圧や糖尿病の治療薬の使用率が高いが、メンタル系疾患の有病者率は情報通信業が高い。肥満該当者の割合をみると、最高と最低では25%の開きがあるなど、業態によって健康状態に差があることが明らかになった。
341万人超の特定健診データを集計
健康保険組合連合会(健保連)は、2017年度の「業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査分析」を公表した。調査は、2017年度の特定健診・特定保健指導データおよびレセプトデータをもとに、業態別に加入者の健康状態や服薬の状況、メンタル系疾患の有病者割合を概観したもの。
特定健診データは341万4,064人(男性236万7,326人、女性104万6,738人)、レセプトデータは1,568万892人をもとに集計した。
健康状態および服薬状況については、特定健診の問診回答ならびに健診検査値をもとに、40~74歳の加入者を対象とし、メンタル系疾患の有病者割合については全年齢の加入者を対象とした。
健保組合加入者の41%が肥満 建設業は49%
健康保険組合加入者のうち、「肥満」該当者の割合は40.7%(男性 49.0%、女性 21.8%)。高い割合を示しているのは、(1)建設業(48.8%)、(2)その他のサービス業(46.2%)、(3)金属工業(45.0%)となっている。一方で、低い割合を示しているのは、(1)労働者派遣業(24.4%)、(2)医療・福祉(29.1%)、(3)繊維製品製造業(29.9%)だった。
肥満の定義は、(1)「内臓脂肪面積が100平方cm以上」または「内臓脂肪面積が100平方cm未満でBMI25以上」、(2)内臓脂肪面積の検査値がないときは、男性では「腹囲85cm以上」または「腹囲85cm未満でBMI25以上」、女性では「腹囲90cm以上」または「腹囲90cm未満でBMI25以上」となっている。
「脂質」の受診勧奨判定の割合は31%
「受診勧奨判定値」の該当者の割合は、「血圧」では18.4%、「脂質」では31.3%、「血糖値」では5.6%、「肝機能」では12.1%に上り、それぞれ医療機関の受診が必要な状態にあることが明らかになった。
「血糖値」の「保健指導判定値」(空腹時血糖 100mg/dL以上、HbA1c 5.6%以上)の該当者の割合は27.7%。高い割合を示しているのは、(1)建設業(34.4%)、(2)複合サービス業(31.7%)、(3)飲食料品以外の小売業(31.1%)となっている。
食事が不規則な宿泊業・飲食サービス業
なお、▼「朝食を抜くことが週に3回以上ある」者の割合は22.6%で、(1)宿泊業、飲食サービス業(40.8%)、(2)食料品・たばこ製造業(30.0%)、(3)運輸業(:29.5)で高い。
健診データを分析し健康経営につなげる取組み
データを活用した「データヘルス計画」は、医療費データや健診情報などのデータ分析にもとづき、保健事業を効率的・効果的に実践するというもの。すべての健康保険組合は2015年度からの実施を求められており、健保組合の連合組織である健康保険組合連合会も積極的に取り組んでいる。
日本では政府の成長戦略における「国民の健康寿命の延伸」への取り組みのひとつとして健康経営が推進されている。健康経営とは、「従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に収益性などを高める」との考えのもと、健康管理を戦略的に実践すること。
健康保険組合連合会のデータなどを活用した「従業員の健康づくり」に向けた取組みが求められている。
健康保険組合連合会(健保連)平成29年度 業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査
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