ニュース
【世界糖尿病デー】世界の4億6300万人が糖尿病 糖尿病の50%以上は予防が可能
2020年09月18日

「世界糖尿病デー」が、国際糖尿病連合(IDF)が中心となり、11月14日に開催される。160ヵ国以上の10億人以上の糖尿病とともに生きる人々と医療従事者が対象だ。
世界糖尿病デーの2020年のテーマは「糖尿病と看護師」だ。
世界糖尿病デーの2020年のテーマは「糖尿病と看護師」だ。
11月14日は「世界糖尿病デー」
成人の11人に1人が糖尿病
世界糖尿病デー(WDD)は、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。
11月14日は、1922年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。
世界糖尿病デーの2020年のテーマは「糖尿病:看護師が違いをつくる(Diabetes: Nurses Make The Difference)」だ。
成人の11人に1人が糖尿病
IDFが公開している「世界糖尿病デー」のビデオ
2020年のテーマは「糖尿病と看護師」


自分の糖尿病リスクを数分でチェックできるツールを公開
世界糖尿病デー(WDD)に合わせて、「あなたの2型糖尿病リスク」というツールが公開された。このオンラインのテストを使うと、ほんの数分で今後10年間に2型糖尿病を発症するリスクを予測できる。
IDFは、世界の糖尿病の成人の2人に1人(2億3,200万人)は、糖尿病の診断を受けていないと推定している。血糖値が高い状態が慢性的に続いているが、自覚症状が乏しいため、自分では糖尿病だと気付いていない。そして、その大部分が2型糖尿病だ。
健診などで糖尿病予備群と指摘された人も、このツールで定期的にチェックすることで、自分の体の状態を知ることができる。
このツールは、フィンランドのヘルシンキにある国立保健福祉研究所のジャアナ リンドストローム特任教授とヤーコ トゥオミレヘト教授が開発した「フィンランド糖尿病リスク スコア(FINDRISC)」にもとづいている。
糖尿病は増え続けている 2030年までに5.8億人に増加
IDFは、昨年の世界糖尿病デーに、世界の糖尿病に関する最新の調査をまとめた「IDF 糖尿病アトラス 第9版」(9th Edition of IDF Diabetes Atlas)を発表した。
世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2019年時点で糖尿病有病者数は4億6,300万人に上ることが明らかになった。

「IDF 糖尿病アトラス 第9版」の主な内容
● 世界の糖尿病人口は4億6,300万人に上る(2019年)。これは世界の成人(20~79歳)の11人に1人に相当する。
● 世界の糖尿病人口は2030年までに5億7,800万人に増えると予想されている。
● 糖尿病の成人の2人に1人(2億3,200万人)は、糖尿病の診断を受けておらず、その大部分が2型糖尿病だ。
● 糖尿病の人4人に3人以上は低・中所得国に住んでいる。
● 新生児の6人に1人(2,000万人)は、母親の妊娠中の高血糖の影響を受けている。
● 糖尿病の人の3分の2は都市部に住んでいて、4分の3は生産年齢だ。
● 糖尿病の人の5人に1人(1億3,600万人)は65歳以上だ。
● 糖尿病が原因で亡くなった人の数は2019年には420万人に上った。
● 世界の糖尿病の医療費は80兆円(7,600億ドル)に上り(2019年)、これは全医療費の10%に相当する。
● 全世界的な調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された人のうち、最大50%は糖尿病を基礎疾患としていた。

世界糖尿病デー(World Diabetes Day)
IDF糖尿病アトラス(Diabetes Atlas)(世界糖尿病連合) 世界糖尿病デー(世界糖尿病デー実行委員会)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2023 SOSHINSHA All Rights Reserved.

「健診・検診」に関するニュース
- 2022年10月25日
- 【特定健診】健診結果から糖尿病リスクを予測するAIを開発 スマホアプリに搭載し生活改善を促す 大阪大学
- 2022年10月24日
- 「フレイル」をわずか5つの質問で簡便に判定 フレイル予備群も分かる 保健指導でも活用
- 2022年10月11日
- 高齢者の半数以上は「フレイルが心配」 フレイル健診を受診したのは23%と少数 データを活用した「対策モデル事業」も
- 2022年10月03日
- 【がん検診】胃カメラ検査は本当に効果がある? 胃内視鏡検査はX線検査よりも効果が高いことを確認
- 2022年09月27日
-
有害業務に伴う歯科健康診断の報告
―10月1日から規模にかかわらず、すべての事業場に義務化 - 2022年09月21日
-
がん検診受診率の目標を60%へ
職域のがん検診受診「個人単位」での把握検討を―「がん検診のあり方検討会」より - 2022年07月26日
- 2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告 10年間の推移についてまとめ
- 2022年07月11日
- 動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を発表 特定健診・保健指導にも影響
- 2022年06月10日
-
【レポート】日本保健師活動研究会「20周年記念シンポジウム」
保健師の実践活動から、強みと意義を考える - 2022年05月23日
- 【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
最新ニュース
- 2023年01月25日
- 労働政策審議会安全衛生分科会「第14次労災防止計画案」提示 2種類の指標(数値目標)を設定
- 2023年01月24日
- 漬物やキムチなどの「発酵食品」が肥満やメタボを抑制 腸内菌の有益な働きを解明
- 2023年01月23日
- 【新型コロナ】感染に対する偏見が心理的負担をもたらす 働いている人の健康と生産性に障害が
- 2023年01月23日
- 【新型コロナ】感染約1年後も半数以上に後遺症が 倦怠感や味覚・嗅覚の異常、睡眠障害など
- 2023年01月23日
- 「受動喫煙」の悪影響は子供や孫の代にまで引き継がれる 危険なのはタバコの煙だけではない