ニュース

ウォーキングポイント参加で高血圧の発症者が減少-横浜市など調査

 横浜市の健康促進事業「よこはまウォーキングポイント」に3年連続参加している60歳以上の人は、参加していない人に比べて高血圧の新規発症率が12.3%低かったことがこのほど分かった。

 横浜市と横浜市立大学(田栗田栗正隆教授・窪田和巳講師・山中竹春教授)、日本電信電話株式会社、エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社が同事業への参加が生活習慣病や医療費などに及ぼす影響を分析し、判明したもの。
ウォーキングで楽しみながら健康づくり、歩数計とアプリで参加可能
 よこはまウォーキングポイント事業では、歩いた歩数に応じて付与されるポイントで商品券などが当たる抽選に参加できる。対象は18歳以上で横浜市に在住・在勤・在学している人で、ウォーキングで楽しみながら健康づくりにつなげることを目的としている。無料で歩数計を贈呈しているほか、スマートフォンのアプリでも参加可能。

 今回の分析は、令和元年8月に締結した「『官民データ活用による超スマート社会の実現に関する包括連携協定書』に基づくよこはまウォーキングポイント事業及び横浜市国民健康保険特定健康診査の影響分析に関する覚書」に基づいて実施された。

 具体的には2015年から18年度までの3年間、国民健康保険に加入し、15年度時点で運動機能に障害がなく、生活習慣病を発症していなかった人を抽出。このうちウォーキングポイント事業に3年連続参加した約2000人と、未登録者2万2000人を比較し、高血圧と糖尿病の新規発症率、医療費と高額医療費が上位1%に入る確率、メタボリックシンドローム状態の変化について調べた。

 結果、統計的な優位差が認められたのは「高血圧の新規発症抑制効果」。60歳代で3年連続ウォーキングポイント事業に参加した人の中で高血圧を新規発症した割合は26.3%だったのに対し、未登録者の割合は29.99%で、これを同じ対象者数に換算した場合、参加者の発症率は12.3%少なくなっていることが分かったという。

 またウォーキングポイントに3年連続参加した人の高血圧新規発生抑制に伴う医療費の抑制額は、少なくとも年間9053万4935円であると推計。同事業が生活習慣病予防に一定の効果があると推察したほか、医療費削減効果も期待されるとした。

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月18日
人口10万人あたりの「常勤保健師の配置状況」最多は島根県 「令和4年度地域保健・健康増進事業の報告」より
2024年04月18日
健康診査の受診者数が回復 前年比で約4,200人増加 「地域保健・健康増進事業の報告」より
2024年04月09日
子宮の日 もっと知ってほしい子宮頸がんワクチンのこと 予防啓発キャンペーンを展開
2024年04月08日
【新型コロナ】長引く後遺症が社会問題に 他の疾患が隠れている例も 岡山大学が調査
2024年03月18日
メタボリックシンドロームの新しい診断基準を提案 特定健診などの56万⼈のビッグデータを解析 新潟⼤学
2024年03月11日
肥満は日本人でも脳梗塞や脳出血のリスクを高める 脳出血は肥満とやせでの両方で増加 約9万人を調査
2024年03月05日
【横浜市】がん検診の充実などの対策を加速 高齢者だけでなく女性や若い人のがん対策も推進 自治体初の試みも
2024年02月26日
近くの「検体測定室」で糖尿病チェック PHRアプリでデータ連携 保健指導のフォローアップなどへの活用も
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶