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近くの薬局で生活習慣病の検査ができる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に拡大中 コロナ禍でも自分の体をチェック
2021年04月05日
近くの薬局やドラッグストアなどで、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映するHbA1cなどの測定を簡単に行うことができる。
薬局で手軽に検査ができる「検体測定室(ゆびさきセルフ測定室)」は、全国に増えている。
メタボや糖尿病予備群の段階でも、自分の体の状態を知っておくことが大切だ。
薬局で手軽に検査ができる「検体測定室(ゆびさきセルフ測定室)」は、全国に増えている。
メタボや糖尿病予備群の段階でも、自分の体の状態を知っておくことが大切だ。
自分の血糖値を把握できている人は少ない?
家庭ではかれる体重や血圧値を健康のバロメーターとして把握している人が多いが、糖尿病の通院治療を受けているのでなければ、自分の血糖値などを把握できている人は少ないのではないだろうか。
実は近くの薬局やドラッグストアなどで、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映するHbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)などの測定を簡単に行うことができるのをご存知だろうか? HbA1cは測定の直前の食事や運動などによって値は変動せず、血糖のコントロール状態が分かる。
自己穿刺により採取したわずかな血液をもとに、2型糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病に関係のある項目を測定できるスペースが「検体測定室(ゆびさきセルフ測定室)」だ。
忙しくて健康診断を受けられないという人でも、20分~30分程度(測定の説明から結果の説明まで)の時間があれば、近くの「ゆびさきセルフ測定室」で測定することができる。
国のセルフメディケーション推進の流れに後押しされるかたちで、薬局やドラッグストアなどを中心に、「ゆびさきセルフ測定室」を開設する店舗は増え続けている。
動画でわかる「ゆびさきセルフ測定室」(検体測定室連携協議会)
糖尿病は初期の段階では自覚症状がない
糖尿病は、糖尿病予備群といわれる初期の頃には、自覚症状がほとんどない。糖尿病は血糖値やHbA1c値を総合的にみて診断されるが、こうした検査値は医療機関などでないと分からない。
実際には、忙しいなどの理由で健康診断を受けられていないという人も多い。とくに、新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で、健康診断を受けられず、メタボや前糖尿病の状態の人が糖尿病になったり、これまで血糖に問題のなかった人でも前糖尿病になったりすることが大いに懸念されている。
糖尿病予備群の段階でも、血管がいたみ血液の流れが悪くなる動脈硬化は進みやすくなっており、脳や心臓の血管の病気のリスクは上昇する。また、糖尿病が発見されたときには、すでに病状が進行してしまっていたという例も少なくない。早くから自分の体の状態を知っておくことが大切だ。
「検体測定室連携協議会」は、ゆびさきセルフ測定室の情報共有や、ガイドライン遵守など、有識者と実践者で連携して協議し、情報発信を行っている。
同協議会の執行委員長であり、筑波大学准教授の矢作直也先生は、次のように述べている。
私の専門である糖尿病は、血糖値が高くなる病気で、糖尿病予備群といわれる初期のころでは、自覚症状がほとんどありません。
糖尿病の患者数は、この50年間で40倍にも増え、国内では、糖尿病と糖尿病予備群をあわせて、約2,000万人にも達しています。ところが、多くの方が「まさか自分は糖尿病にならないだろう」と考えているため、自覚症状がないままに病気が進行することも珍しくありません。なお、糖尿病だけでなく他の生活習慣病も、その対策はいまだ不十分といえます。
健康維持のためには年齢にかかわらず、見えない体のサインに、いち早く気づくことが大切です。私たちは、「ゆびさきセルフ測定室」の設置を通じて、セルフケアの意識を高め、健康寿命の延伸を実現させたいと願っています。
血糖値などが気になる方などは、お近くの血糖測定実施薬局まで、お気軽にお越しください。
「ゆびさきセルフ測定室」は全国で2,000件超

現在、地域住民のファースト・アクセスの場として健康に関する相談を幅広く受け付け、必要に応じ、かかりつけ医をはじめ適切な専門職種や関係機関に紹介するとともに、健康に関する情報提供を積極的に行う健康サポート機能を有する薬局やドラッグストアが増えています。
今後は健康サポート機能を有する薬局やドラッグストアを中心に、検体測定室数のさらなる増加が予測されます。
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