ニュース
「医療的ケア児支援法」が成立~自治体の支援は「努力義務」から「責務」へ
2021年07月07日

これにより国や地方公共団体などは医療的ケア児への支援が「努力義務」から「責務」になり、教育を行う体制の拡充などが求められることとなる。施行は同年9月の予定。
医療的ケア児とは、新生児集中治療室(NICU)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。周産期先進医療の発展により医療的ケア児は増加傾向にあり、厚労省のまとめ(令和元年)では在宅で全国に推計約2万人いるとされる。
一方、医療的ケア児への支援はこれまで国や地方自治体の「努力義務」とされ、専門人材や環境を整えた預け先は極端に不足。医療的ケア児とその家族を取り巻く現状もよく知られていなかった。
その結果、医療的ケア児が心身の状況に応じた適切な支援や教育を受けられないほか、家族が24時間、ケアを担うために就労機会を失うなどの問題があった。
保育所や学校などで医療的ケア児を受け入れるための支援体制を
家族の負担を軽減し、医療的ケア児の健やかな成長を図ることを目指して、このたび医療的ケア児支援法が成立。
支援が「責務」と明記されたことから、自治体は保育所や学校などで医療的ケア児を受け入れるための支援体制拡充が求められることとなる。
具体的には家族の付き添いなしで医療的ケア児が施設へ通えるよう、保健師や看護師、喀痰(かくたん)吸引等を行うことができる保育士などを配置すること、都道府県に医療的ケア児支援センターを設立し、ワンストップで相談や連絡ができる体制を整えることなどが求められる。
これを受けて、文部科学省でも医療的ケア児についての情報を整理し、受け入れ体制に整備に向けた手引きを作成、公表した。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「学校保健」に関するニュース
- 2025年08月21日
- 令和7年(1月~7月)の自殺者は11,143人 前年同期比で約10%減少(厚生労働省)
- 2025年07月28日
- 日本の「インターバル速歩」が世界で話題に 早歩きとゆっくり歩きを交互に メンタルヘルスも改善
- 2025年07月22日
- 【大人の食育】企業や食品事業者などの取り組み事例を紹介 官民の連携・協働も必要 大人の食育プラットフォームを立ち上げ
- 2025年07月08日
- 【熱中症予防】エアコンを適切に使えず死亡した高齢者の特徴を明らかに どうすれば防げる? 今年は昨年以上の猛暑に
- 2025年07月08日
- 「大人の食育」を強化 人生100年時代の食育には地域や職場との連携も必要-令和6年度「食育白書」より
- 2025年07月07日
- 子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
- 2025年07月01日
- 東京糖尿病療養指導士(東京CDE) 2025年度申込を受付中 多職種連携のキーパーソンとして大きく期待される認定資格
- 2025年06月30日
- 【タバコの害の最新情報】加熱式タバコや電子タバコも肺の炎症の原因に とくに女性は受動喫煙の影響を受けやすい
- 2025年06月24日
- 保健指導にも利用できる「プチ瞑想実践ガイド」を公開 心の安定や集中力の向上などを期待 東京都健康長寿医療センター
- 2025年06月23日
- 昼寝が高血圧・心臓病・脳卒中のリスクを減少 ただし長時間の昼寝は逆効果 規則的な睡眠スケジュールが大切