ニュース
「大豆」で更年期女性のホットフラッシュを軽減 「エクオール」が関与 脂質異常症や糖尿病にも有用
2021年08月30日

植物性食品が中心の食事で、大豆を十分に食べることで、更年期のほてり(ホットフラッシュ)を減らせる可能性があることが明らかになった。
大豆を豊富に摂る食事により、中程度から重度のほてりを84%減少でき、1日5回近くから1回未満に抑えられるという。
大豆に含まれるイソフラボンを材料に、腸内細菌によって体内で作られるエクオールと呼ばれる物質が、ほてりの発生と重症化を軽減すると考えられている。
大豆を豊富に摂る食事により、中程度から重度のほてりを84%減少でき、1日5回近くから1回未満に抑えられるという。
大豆に含まれるイソフラボンを材料に、腸内細菌によって体内で作られるエクオールと呼ばれる物質が、ほてりの発生と重症化を軽減すると考えられている。
更年期のホットフラッシュは食事で軽減できる?
大豆には植物性タンパク質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどのさまざまな栄養が含まれる。とくに日本には、納豆や味噌といった発酵性の大豆食品が豊富にある。日本食が健康的な食事として世界的に人気がある理由のひとつは、納豆や豆腐などの大豆食品を多く食べていることだ。
大豆を食べることで、更年期のほてり(ホットフラッシュ)を減らせる可能性があることが、米ジョージワシントン大学医学部の研究で明らかになった。
大豆を十分に摂ると、中程度から重度のホットフラッシュを84%減少でき、1日5回近くから1回未満に抑えられるという。
大豆を含む植物性食品中心の食事を12週間続けた女性は、60%近くが中等度から重度のホットフラッシュがなくなり、軽度なものまで含めるとホットフラッシュは全体に79%減少した。
更年期を迎えた女性の多くが、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、発汗、顔の紅潮といった症状に悩まされている。ジョージワシントン大学医学部のニール バーナード氏によると、閉経後の女性の80%がホットフラッシュに苦しめられているという。
「ホットフラッシュを治療するために、食事療法はこれまで考えられていた以上に重要である可能性があります」と、バーナード氏は言う。
大豆を食べた女性はホットフラッシュが79%減少

大豆イソフラボンから作られるエクオールが関与
大豆に含まれるイソフラボンを材料に、腸内細菌によって体内で作られる「エクオール」と呼ばれる物質が、ホットフラッシュの発生と重症化の軽減に関与していると考えられている。
過去にもエクオールがホットフラッシュの発症と重症化を軽減することを示した研究が発表されており、野菜をよく食べる食事スタイルの人でエクオールが高いレベルで生成させていることが示された。なお、大豆のイソフラボンを抽出したサプリメントなどでは、効果をあまり期待できないという。
エクオールを体内で作り出せる体質には個人差があるが、血糖値(HbA1c)を下げたり、動脈硬化のリスクを高める悪玉コレステロールを下げる効果なども報告されている。
エクオールが肥満を改善 脂質異常症や糖尿病などにも有益
イソフラボンを材料に体内で作られるエクオールに、50~60代の閉経後の女性の肥満を改善する効果があることが、福島県立医科大学消化器内科学講座の高橋敦史氏らの研究でも確かめられている。研究成果は、北米更年期障害協会が刊行している医学誌「Menopause」に発表された。
研究グループが、福島市のわたり病院で健診を受けた50~60代の女性386人のデータを分析した結果、体内でエクオールを作れる体質の女性(27.5%)は、過体重が0.47倍に、内臓脂肪型肥満が0.30倍に減少していた。
エクオールは、脂質異常症や2型糖尿病などの代謝性疾患にも有益な影響を及ぼすと考えられている。大豆のタンパク質を摂取すると血圧が低下する効果を期待できるという研究も発表されている。
The Women's Study for the Alleviation of Vasomotor Symptoms (WAVS): a randomized, controlled trial of a plant-based diet and whole soybeans for postmenopausal women(Menopause 2021年7月)
Association of equol with obesity in postmenopausal women(Menopause 2021年7月)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」