こども家庭庁が来年4月に発足 子ども政策の司令塔に 「支援部門」ではいじめ対策やヤングケアラーの支援も

児童虐待やいじめ、貧困、少子化対策など子どもをめぐる諸課題は多岐にわたる中、これまで内閣府や厚生労働省に分散されていた子ども政策を同庁で一元化し、司令塔としての役割を持たせる。
子どもの権利の保障を明記した「こども基本法」(議員立法)と、改正児童福祉法も併せて成立した。
子どもや若者に関する施策はこれまでも取り組みが進められてきたが、児童虐待や不登校、子どもの自殺などの諸問題は深刻さを増している。
少子化も進行していることから、政府の「骨太方針2021」(令和3年6月閣議決定)で、妊娠前から思春期まで子どもの権利を保障し、切れ目ない対応を図りつつ、困難を抱える子どもへの支援も拡充する行政組織の創設が掲げられた。
これを受けて、子ども政策の推進に係る作業部会が発足。また、子ども政策の方向性について検討する有識者会議が検討を開始し、令和3年11月には「こども政策の推進に係る有識者会議 報告書」を提出した。
有識者会議での議論や「少子化社会対策大綱(令和2年5月閣議決定)」を踏まえ、政府を挙げて取り組む「こどもに関する政策パッケージ」もとりまとめられた。
これらの流れから、令和3年12月、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」を閣議決定。基本方針に基づいた「こども家庭庁設置法案」などが令和4年6月の通常国会に提出され、審議の結果、賛成多数で可決された。
こども家庭庁は総理大臣直属の機関としてこども政策担当大臣が置かれる。内閣府の外局として設置され、こども家庭庁長官のもと、「企画立案・総合調整部門」、「成育部門」、「支援部門」が作られる。
厚生労働省や内閣府の子ども関連部局は廃止し、こども家庭庁に統合。民間からの人材も含め、約300人体制でスタートする見通し。厚生労働省所管の保育所、内閣府所管の認定こども園はこども家庭庁に引き継がれるが、幼稚園や小中学校などは文部科学省から移管しない。
「成育部門」では、教育や保育の現場で性犯罪歴の証明を求める「日本版DBS(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)」の導入検討、子どもの死因を検討し効果的な予防対策へ導いていくシステム「CDR(チャイルド・デス・ビュー)」の検討が盛り込まれている。
また「支援部門」ではいじめ対策のほか、ヤングケアラーの支援や、施設・里親のもとで育った若者らの支援に言及している。
こども家庭庁設立までの経緯や、子ども政策の新たな推進体制に関する基本方針については、このほど公表された『子供・若者白書』でも第1章で、特集「こども政策の新たな展開」として触れられている。


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