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【オピニオン公開中】職域の「禁煙」を確実に進めるために―「喫煙」対策の最新情報と「禁煙」の実践紹介―


 2003年に制定された「健康増進法」では、公共空間や事務室等での受動喫煙を防止することが求められ、『職場における喫煙対策のための新ガイドライン』では「一定の要件を満たす喫煙室」を設置することが推奨されました。
 そして、2020年に施行された「改正健康増進法」により、現在では「望まない受動喫煙をなくす」ことがすべての国民に求められており、あらゆる場面で喫煙対策への注目が高まっています。

 このたびオピニオンコーナーにて、「職域の「禁煙」を確実に進めるために」と題して、大和 浩先生(産業医科大学 産業生態科学研究所 教授)に「喫煙」対策の最新情報と「禁煙」の実践をご紹介いただきました。

「職域の「禁煙」を確実に進めるために
 ―「喫煙」対策の最新情報と「禁煙」の実践紹介―」
もくじはこちら▶

No.1 職場から「喫煙できる場所と時間」をなくすこと

職域での「喫煙」問題

 2003年に制定された「健康増進法」では、公共空間や事務室等での受動喫煙を防止することが求められ、『職場における喫煙対策のための新ガイドライン』で排気装置により出入口で0.2m/sの内向きの気流を確保した「一定の要件を満たす喫煙室」を設置することが推奨された。
 このことから多くの企業に喫煙室が設置され、事務室等が禁煙化されたことで、職場の空気環境は格段に改善した。

 しかし、"喫煙室の周囲は微妙にタバコ臭い"という状況は今も続いている。その原因は以下の3つである。
 ・ドア(蝶番式)の開閉によるフイゴ作用による煙の押し出し
 ・退出する喫煙者の後にできる空気の渦に巻き込まれた煙の持ち出し
 ・肺に充満している煙の禁煙区域での呼出

No.2 職場外でも「喫煙できる場所と時間」をなくすこと

勤務時間中の「禁煙」を推進する根拠

 吸える場所と時間がある限り、禁煙企図は高まらない。まず、勤務時間中のタバコ離席を禁止する根拠を示したい。

 ・デスクに居ない時間が長い=本人の作業効率が低下する
 ・喫煙離席の間、周囲の人は待つ必要がある=チーム全体の作業効率が低下する
 ・その間に電話や来客を周囲が対応しなければならないため、余分な負担が発生する

 喫煙者本人はタバコ離席が周囲に作業負担をかけていることに気づいていない。一方、非喫煙者は「仕事をさぼっている」「不公平」という不満を募らせている。

No.3 「加熱式タバコ」がもたらす害について

進む禁煙化と加熱式タバコの登場

 紙巻きタバコは天井まで立ち上る副流煙と口から吐き出される呼出煙があきらかに視認できること、強烈な刺激臭があることから非喫煙者が居る閉鎖空間の禁煙化が進んだ。
 職場の禁煙化は常識となり、敷地内禁煙の企業も増えてきている。かつてのように自宅のリビングで喫煙できる家庭も減ってきた。改正健康増進法(2020年)が施行されたことで、ファミリー向けのレストランだけでなく居酒屋の禁煙化も進みつつある。

 吸える場所が減れば、禁煙する人が増える。ところが、その流れに逆行するかのように大手のタバコ会社が「周囲の空気を汚さないので屋内で使用できる」「有害性成分を90〜95%低減」などとアピールした加熱式タバコの販売を始め、それを使用する人が急増している。
 令和元年の国民健康・栄養調査では若〜壮年層の半数弱が加熱式タバコに切り替わった、あるいは、紙巻きタバコと併用していることが報告されている。

オピニオン執筆者ご紹介

大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所 教授)
 産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室 教授
 医学博士、労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医

<経歴>
 昭和35(1960)年、生まれ
 昭和61(1986)年、産業医科大学卒業
 平成18(2006)年、現 職
 専 門:タバコ対策

浪人時代に喫煙を始め、7回の禁煙に失敗し、8回目の禁煙を26年間継続中。「ニコチン依存症」から「タバコ対策依存症」となり、日本の空気の改善をライフワークとして発信中。
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