「働く世代のためのがんリテラシー向上プロジェクト」が開始 働く世代はがんについて正しく学ぶ機会を持てていない
公益財団法人日本対がん協会(会長:垣添忠生・国立がんセンター名誉総長)は1月10日から、新事業「働く世代のためのがんリテラシー向上プロジェクト」を始めた。
がん患者の約3割は働く世代で罹患するという背景を踏まえ、企業のがん対策の底上げと、働く人のがんリテラシーの向上が目的。
がんの罹患率は高齢になるほど高くなるが、現役で働く65歳以上の高齢者が増加。また働く女性も増えているが、乳がんや子宮頸がんという女性特有のがんもある。これらの社会変化を踏まえ、働く世代ががんについてリテラシー(正しい情報を集め、理解・活用する能力)を高めるのは健康経営の観点からも年々、重要視されるようになってきている。
現在、中学校と高校では「がん教育」が必修化されている一方、現役で働く世代はがんについて正しく学ぶ機会を持てていないケースが多い。そのため同協会は「働く世代のためのがんリテラシー向上プロジェクト」をこのほど立ち上げ、職場におけるがんリテラシーの底上げを支援することを決めた。
具体的には、
- がんリテセミナー:企業・団体トップや健康経営、人事総務担当者を主な対象とする無料オンラインセミナー
- がんリテラシーLINE:職場でのがん教育に役立つLINE(無料)
- がんリテラシー診断:がんに関するリテラシーを測定するPC画面上でのテスト(有料)
このうち第1回の「がんリテセミナー」は2月27日、『企業が取り組むウェルビーイング経営と禁煙推進~企業の先進事例から見るがん予防につながる禁煙の取り組み~』をテーマに、オンラインで開催が予定されている。同セミナーは4月に第2回、5月に第3回が開催予定で、その後も順次、開催していくという。
また「がんリテラシーLINE」は、企業で働く人とその家族を主な対象とし、LINEの友だち登録を通じて、トーク画面からがんに関するさまざまな情報を得られる。正しい知識を配信することで、リテラシー向上につなげる。
一方、「がんリテラシー診断」は会社や職場単位での申し込みで、従業員にがんに関するテストと解説を受けてもらえるようにするもの(有料)。診断はオンラインで実施する。企業が従業員のヘルスリテラシーの現状把握や、健康経営への施策立案に役立てることが期待されている。
同協会では、これら3つのプログラムの実施を通し、「企業のがん対策の底上げ」と「企業で働く人のがんリテラシーの向上」の両輪でプロジェクトを進めていく考え。
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