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新型コロナ対策は新たな局面に 3月13日からマスク着用が緩和 現時点で実施すべき「必要最小限」の感染症対策とは?

 順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学(堀賢教授)は、新型コロナ対策としてのマスク着用が3月13日から緩和されることを受け、新型コロナ対策に限定した重要項目をまとめた「ウィズコロナ・チェックリスト。」を作成し、公開を開始した。

 チェックリストは、ウィズ・コロナを見据え、現時点で実施すべき必要最小限の感染症対策を選定しまとめたもので、コロナ感染症対策の準備状況が、点数で客観的に分かるようにしてある。

 公開されたチェックリストは、「オフィス換気編」と「オフィス管理編」の2部で構成される。

新型コロナ対策 「何を止めて、何を残すべきか?」を適切に判断

 順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学(堀賢教授)は、新型コロナ対策としてのマスク着用が3月13日から緩和されることを受け、新型コロナ対策に限定した重要項目をまとめた「ウィズコロナ・チェックリスト。」を作成し、公開を開始した。

 新型コロナのパンデミックはようやく終わりを迎えつつあり、今後は、パンデミックの再興を抑えながら、社会活動を復興していく局面となり、「何を止めて、何を残すべきか?」を適切に判断してくことが求められるようになっている。

 「感染症対策は"始めるは易し、止めるは難し"であり、現場で判断しにくいからこそ、感染症対策の専門家からの時宜を得た推奨が必要です」としている。

 これまでのコロナ禍での感染対策のなかには、社会活動を大きく制限するものもあったので、反省すべき点もある。今後は、たとえば「マスク着用ルール」でも、新しい判断基準が必要としている。

ウィズコロナ・チェックリスト。

 チェックリストは、ウィズ・コロナを見据え、現時点で実施すべき必要最小限の感染症対策を選定しまとめたもので、コロナ感染症対策の準備状況が、点数で客観的に分かるようにしてある。

■ オフィス換気編
5つのチェック項目から構成されており、それぞれ0~2点で評価し、合計点により「良好」「注意」「危険」の目安が分かる。

<チェック項目の例>
・ 複数の人が集まる部屋に定員が設定してあるかをチェック

換気能力に見合った定員を設定してあれば最高点。厚生労働省が示した「冬場における『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法」では、1人あたり30㎥/h以上とされている。

■ オフィス管理編
6つのチェック項目から構成されており、それぞれ-2~2点で評価し、合計点により「良好」「注意」「危険」の目安が分かる。

<チェック項目の例>
・ 職場でのマスク着用に関するルールがあるかをチェック

発声する場面(会話や電話応対など)でのマスク着用を推奨していたり、発声がほとんどない場面での着用を積極的に免除していれば、点数が加算される。
場面にかかわらず一律に、マスクを外すことや、あるいは着用することを求めている場合はマイナス点になる。

 なお、「換気編」は、順天堂大学と清水建設が2021年2月開設した「Pandemic Ready共同研究講座」(研究代表:堀賢)で共同開発中の、感染リスクアセスメントツールから抜粋して作成したもの。

 「管理編」は、国際的第三者評価で定評のあるスコア方式を用いて、順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学が独自に開発したもの。

 今後も、「オフィス版」に加えて、「飲食店版」「アリーナ版」などが登場する予定としている。「今後も流動的な状況を見極めながら、ポスト・コロナ社会への北極星を提示してまいります」と、研究グループは述べている。

 「ウィズコロナ・チェックリスト。」について、堀教授は次のようにコメントしている。

 感染症対策の選定は、「どの程度のリスクを許容しながら、必要な対策を絞り込んでいくか」を見極める工程です。復興に前のめりになりすぎてもいけませんし、「やっぱり心配だから、これもやっておこう」と慎重になりすぎてもいけません。

 それぞれの事象の大きさや頻度に応じて、合理的に判断することが、我々プロフェッショナルに求められる役割と自覚し、みなさまに「わかりやすく役に立つ情報」を発信していきます。

順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学
Pandemic Ready 共同研究講座 (順天堂大学大学院)
順天堂大学と清水建設が設立したPandemic Ready共同研究講座。建築設計の知見と医学的な知見とを融合した新基準「Pandemic Ready」を提案。
[Terahata]
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