ニュース

小中高生の自殺者数が過去最悪 初の500人超え
「令和4年中における自殺の状況」より

 厚生労働省と警察庁はこのほど、令和4年中における自殺の状況(確定値)を公表した。令和4年の自殺者数は21,881人で前年より増加。特に小中高生の自殺者数が514人で過去最多となった。

 令和2年以降、コロナ禍による影響で小中高生の自殺者が増えていたが、500人を超えるのは記録に残る統計史上初めて。

令和4年の自殺者数は前年比で874人増加
 警察庁の自殺統計原票を集計した結果で、厚生労働省自殺対策推進室と警察庁生活安全局生活安全企画課が3月14日に公表した。

 令和4年の自殺者数は前年比874人増加し、21,881人。男性は13年ぶり、女性は3年連続の増加となった。男性の自殺者数は女性の約2.1倍。自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)は17.5だった。

出典:令和4年中における自殺の状況(厚生労働省)

 年齢階級別に自殺者数を見ると、最多は50歳代で前年比475人増の4,093人。40歳代の3,665人、70歳代の2,994人が続く。一方、前年比で最も大きく減少したのは20歳代で、128人減だった。

 職業別では、有職者が8,576人で前年比586人増、無職者が11,775人で同136人増。無職者のうち主婦は1,166人だった。

 自殺の原因・動機については、遺書や家族の証言などから自殺者1人につき4つまで計上可能とした結果、最も多かったのが健康問題で12,774人。次いで家庭問題(4,775人)、経済・生活問題(4,697人)の順に多かった。

小中高生の自殺者数、男子高校生が大きく増加
 小中高生の自殺者数は514人で、内訳は小学生が17人、中学生が143人、高校生が354人。小中高生の自殺者が500人を超えるのは初めて。特に男子高校生が208人で前年比39人増となった。

 小中高生の自殺者数は令和元年の399人から令和2年の499人まで大きく増えたが、令和3年には473人となり減少していた。令和2年以降の増加にはコロナ禍が影響していると見られる。

 文部科学省は2月、保護者と学校関係者などに向けてメッセージを発出。児童生徒の態度に現れる自殺直前のサイン例を具体的に示し、不安や悩みを抱える児童生徒が孤立しないよう、関係機関等の緊密な連携と地域全体での支援を求めた。

令和4年中における自殺の統計(厚生労働省自殺対策推進室、警察庁生活安全局生活安全企画課/2023年3月14日)
保護者や学校関係者等のみなさまへ(文部科学省/2023年2月)
子供のSOSの相談窓口(文部科学省)

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶