小中高生の自殺者数が過去最悪 初の500人超え「令和4年中における自殺の状況」より
令和2年以降、コロナ禍による影響で小中高生の自殺者が増えていたが、500人を超えるのは記録に残る統計史上初めて。
令和4年の自殺者数は前年比874人増加し、21,881人。男性は13年ぶり、女性は3年連続の増加となった。男性の自殺者数は女性の約2.1倍。自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)は17.5だった。

年齢階級別に自殺者数を見ると、最多は50歳代で前年比475人増の4,093人。40歳代の3,665人、70歳代の2,994人が続く。一方、前年比で最も大きく減少したのは20歳代で、128人減だった。
職業別では、有職者が8,576人で前年比586人増、無職者が11,775人で同136人増。無職者のうち主婦は1,166人だった。
自殺の原因・動機については、遺書や家族の証言などから自殺者1人につき4つまで計上可能とした結果、最も多かったのが健康問題で12,774人。次いで家庭問題(4,775人)、経済・生活問題(4,697人)の順に多かった。
小中高生の自殺者数は令和元年の399人から令和2年の499人まで大きく増えたが、令和3年には473人となり減少していた。令和2年以降の増加にはコロナ禍が影響していると見られる。
文部科学省は2月、保護者と学校関係者などに向けてメッセージを発出。児童生徒の態度に現れる自殺直前のサイン例を具体的に示し、不安や悩みを抱える児童生徒が孤立しないよう、関係機関等の緊密な連携と地域全体での支援を求めた。
令和4年中における自殺の統計(厚生労働省自殺対策推進室、警察庁生活安全局生活安全企画課/2023年3月14日) 保護者や学校関係者等のみなさまへ(文部科学省/2023年2月) 子供のSOSの相談窓口(文部科学省)


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