健康危機管理での活動時間が増加 令和4年度「保健師活動領域調査」
調査の結果、コロナ禍を経て、特に都道府県の保健師で「健康危機管理」での活動時間が大幅に増えていることが分かった。
少子高齢化や地域住民のニーズ多様化などを背景に、保健・医療・福祉・介護の連携がより一層、求められている。そのような中、保健師の活動領域について実態を的確に把握するための調査として、平成21年度から実施されている。
保健師の所属や職位などについての「領域調査」は毎年、活動内容や時間などについての「活動調査」は3年ごと。本来は昨年実施予定だった「活動調査」が新型コロナウイルス拡大で延期されたため、令和4年度は両方の実施年となる。令和4年度の領域調査は、令和4年9月30日に公表されている。
今回の公表は「活動調査」で、調査対象は無作為に抽出した都道府県と市区町村(8都道府県、27保健所設置市、10特別区、220 市町村)に所属する全ての保健師。令和4年6月1日~30日、10 月1日~31日の2カ月間で調査を実施した。
「常勤保健師の活動状況」によると、保健師1人1カ月あたり「直接対人支援」の活動分類にかかる時間は都道府県で29.1時間(16.9%)、保健所設置市・特別区で64.8時間(39.5%)、市町村で64.5時間(38.9%)。

内訳を見ると、保健所設置市・特別区の保健師では「健康相談・保健指導」が33.4時間(20.4%)、市町村の保健師では「健康診査、予防接種」が26.2時間(15.8%)でそれぞれ最も多かったまた、都道府県の保健師では「健康危機管理」での時間が最も多く、42.2時間(24.5%)だった。
一方、「非常勤保健師の活動状況」では、保健師1人1カ月あたり、都道府県の場合、健康危機管理「発生時の対応」で活動する時間が29.1時間(29.1%)で最も多かった。
保健所設置市・特別区と市町村は直接対人支援「健康相談・保健指導」での活動が最多で、保健所設置市・特別区は34.6時間(35%)、市町村は23.5時間(24.4%)をそれぞれ占めた。

前回の平成30年度調査とは活動分類・項目の分け方が異なっているが、常勤・非常勤ともに、都道府県の保健師はコロナ禍を受け、健康危機管理「発生時の対応」での活動時間が増加していることが明らかになった。
令和4年度 保健師活動領域調査(活動調査)の結果について(厚生労働省/2023年3月20日)


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