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多くの事例で暑さ指数を把握していない 適切な措置が大切 「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」
熱中症による死傷者数は建設業や製造業、警備業で多く発生しており、重点的な啓発が求められている。
2022年の死傷者数は805人
昨年1年間の職場における熱中症発生状況を見ると、休業4日以上の死傷者は805人で、うち28人が死亡した。中でも建設業(172件)と製造業(144件)の死傷者数が全体の4割を占めていた。
また死亡者数は建設業(13人)と警備業(6人)の順に多かった。被災者はすべて男性。このうち暑さ指数(WBGT)の把握をしていなかった事例が24件、熱中症予防のための労働衛生教育を実施していなかった事例が25件、発症時や緊急時の措置の確認・周知をしていなかった事例が26件あった。

出典:「令和4年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(令和5年1月13日時点速報値)」(厚生労働省)
これらの状況を踏まえ、キャンペーンでは全ての職場に「職場における熱中症予防基本対策要項」に基づく対策を講じるよう呼びかける。
そのうえで期間中、事業者には、
① 暑さ指数(WBGT)の把握とその値に応じた熱中症予防対策を実施すること
② 作業を管理する者及び労働者に対してあらかじめ労働衛生教育を行うこと
③ 衛生管理者などを中心に事業場としての管理体制を整え、発症時・緊急時の措置を確認し、周知すること
など、重点的な対策の徹底を図る。ポータルサイト「学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報」にも関連情報をまとめ、周知に努めている。
地方公共団体の取り組みも〜環境省モデル事業
また環境省では、地域特性を踏まえた熱中症対策を推進するため、地方公共団体における効果的な熱中症予防対策の推進に係るモデル事業」を実施している。
令和4年度は、埼玉県熊谷市「地域の課題解決に意欲的に取り組む商店街の多角的な活動を通した、市内外への熱中症対策の啓発事業」、大阪府吹田市「高齢者へ気づきを与える優しいひと言と温度計」、岐阜県多治見市「多治見の熱中症予防『みえる化』計画」、新潟県南魚沼市「雪国の熱中症予防対策」の4地方公共団体が取り組みを進め、2月の成果報告会で効果などが報告された。これまでのモデル事業報告書などはHPで閲覧できる。
令和5年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します(厚生労働省)
令和4年度 地方公共団体における効果的な熱中症予防対策の推進に係るモデル事業(環境省)
ポータルサイト「学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報」
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