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【新型コロナ】乳幼児用ワクチンの副反応を調査 成人に比べ副反応は少なく発熱の頻度も低い

 岡山大学は、乳幼児の新型コロナワクチンの接種後の副反応についての調査結果を発表した。

 乳幼児の新型コロナワクチンの副反応の出現割合は成人に比べて低く、発熱の出現割合も大幅に低かった。症状がある場合でもほとんどは接種翌日までにおさまり、接種3日目以降まで持続するケースは少なかった。

 接種理由としては、多くの人は「子供自身の感染や重症化を予防するため」「後遺症を防ぐため」などと回答した。

乳幼児では新型コロナワクチンの副反応による発熱の頻度は低い

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野では、岡山県の依頼を受け、ワクチン接種後の副反応の頻度を評価し、ファイザー製の乳幼児用の新型コロナワクチンの接種後の副反応について調査した。

 その結果、局所反応については、1回目、2回目、3回目ともに、成人に比べ乳幼児では、副反応の出現割合は低かった。発熱の出現割合も、成人に比べ、1回目は高く、2回目、3回目は大幅に低くなった。

 症状がある場合でも、ほとんどは接種翌日までにおさまり、接種3日目以降まで持続するケースは少なかった。

 性別・年齢・基礎疾患・アレルギー歴・新型コロナ感染歴の有無による、接種部位の腫脹と、37.5度以上の発熱の出現頻度についても、統計学的に有意な差がなかった。

 接種理由としては、多くの人は「子供自身の感染や重症化を予防するため」「後遺症を防ぐため」などと回答した。

 「乳幼児には、日頃から発熱しやすい特性があり、本調査でも感冒など副反応以外の発熱が含まれると考えられますが、成人や小児接種で報告されたほどの、1回目から2回目、3回目にかけての大きな発熱割合の上昇は認められず、乳幼児では副反応による発熱の頻度は低いと解釈しています」と、研究グループでは述べている。

 今回の調査は、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)疫学・衛生学分野の頼藤貴志教授や松本尚美助教らが、県内の医療機関の協力をえて、ファイザー製の乳幼児用新型コロナワクチンの接種を受けた生後6ヵ月~4歳の乳幼児を対象に、2022年11月10日~2023年5月2日に、接種後の副反応を調べたもの。対象となったのは、のべ515人で、内訳は1回目接種261人、2回目接種168人、3回目接種86人となっている。

出典:岡山大学、2023年

 なお、5~11歳の小児を対象としたファイザー製のワクチンの副反応も調査しており、接種の1回目、2回目ともに、やはり接種後の副反応は成人に比べ少ないことも確認している。

 接種部位の痛みや腫脹、全身の倦怠感の報告は多かったが、接種翌日まで続いた割合がもっとも高く、接種3日目以降まで持続する割合は低かった。

 新型コロナは、感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、新規感染者数は定点把握による発表に変更されたが、全国的にゆるやかな増加傾向がみられる。

 「今回、岡山県内の協力医療機関のご尽力で、多くのデータが集まり、統計的に安定した結果をえることができました。今後の乳幼児へのワクチン接種を考える際の判断や準備の参考にしていただけますと幸いです」と、研究グループでは述べている。

新型コロナウイルスワクチン情報 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野)
[Terahata]
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