ニュース

行政事業レビュー「がん診療連携拠点病院機能強化事業等」
「がんの死亡率減少」と「仕事と治療の両立」が議論の焦点に

 厚生労働省は、6月2日、令和5年度の「行政事業レビュー」を実施した。今回、公開プロセスの実施対象事業の一つとして「がん診療連携拠点病院機能強化事業等」が取り上げられた。

 レビューでは、「がん死亡率の減少」と「仕事と治療の両立」が焦点となり、長期アウトカムにどれだけ寄与しているかを示す中間アウトカムを設定する方向性が示された。

焦点は「がん死亡率の減少」「仕事と治療の両立」

 行政事業レビューは、各府省庁自らが、全ての事業を対象に、執行実態を明らかにした上で、点検の過程を「見える化」し、外部の視点を活用しながら点検を行い、その結果を予算や執行等に反映させる取り組み。一部は、公開プロセスとして、「外部の視点」を活用して「公開の場」で行っている。
 今回対象となった1つが、「がん診療連携拠点病院機能強化事業等」。令和5年度の予算額は60.5億円(4年度補正予算額5.4億円)。同事業の主な概要と内容は下記の通り。

(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

出典:資料「事業概要・見直し案」(2022.6.2)より

効果を測定できる指標か

 レビューの論点としては2つ挙げられている。
 1つ目は、現行の成果指標である「がんの年齢調整死亡率」及び「仕事と治療の両立ができる環境と思う人の割合」は、確かに全国のがん医療提供体制が充実することによる成果を測りうる指標ではあるものの、効果を測定できる指標となっているか検証する必要があるのではないか。
 2つ目は、がんに関する普及啓発は、各地域の「がん診療連携拠点病院」が地域住民等に対し、それぞれの創意工夫により行っているが、より効果的・効率的な手法がないか検討する必要があるのではないか、ということ。

 公開プロセスでは「がん死亡率の減少」と「仕事と治療の両立」について、その効果を評価できる客観的な指標と関連し、がん医療従事者の育成(研修)やがん患者とその家族に対する相談支援、がん診療連携拠点病院を中心とした地域診療のネットワーク化などについて議論がなされた。

[保健指導リソースガイド編集部]
side_メルマガバナー

「がん」に関するニュース

2025年06月02日
肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
2025年03月26日
中小企業のがん対策、経営者の関心が鍵?
「がん対策推進企業アクション」最新調査が示す実態
2025年03月10日
余暇時間に運動をするとがんリスクは32%減少 活発な運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
2025年02月10日
[高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
2025年01月23日
大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
2025年01月23日
1月23日は「一無、二少、三多の日」
2月1日より「全国生活習慣病予防月間2025 」がスタート!
2025年01月06日
肥満のある人はやはりがんリスクが高い 代謝的に健康であってもがんリスクは上昇 日本人5万人超を調査
2024年12月19日
2024年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度
2024年12月17日
子宮頸がん検診で横浜市が自治体初の「HPV検査」導入
70歳以上の精密検査無料化など、来年1月からがん対策強化へ
2024年09月30日
10月は「乳がん月間」 マンモグラフィ検査を毎年受けている女性は乳がんリスクが減少 乳がん検査の最新情報
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶