東京都が「性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト」を開設

東京都はこのほど、性的マイノリティの人々が働きやすい職場づくりを推進するため、企業向けのポータルサイトを開設した。
近年、企業が性的マイノリティの人々にフレンドリーであることが社会的に求められていることから、東京都の支援体制や取り組み事例を紹介する。「多様な性」やパートナーシップ宣誓制度の理解促進に向けた資料もあり、社内研修などで使用できる。
「性自認」とは「性別を自分自身でどのように認識しているか」を表す言葉で、「心の性」と言い換えられることもある。一方、「性的指向」とは恋愛や性愛の対象がどのような方向に向かうのかを表す概念を言う。
東京都は2018年、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定し、性自認や性的指向を理由とする不当差別解消などに取り組んできた。また2022年には「東京都パートナーシップ宣誓制度」を創設するなど、性的マイノリティの人々が暮らしやすい環境づくりを進めている。
そのような中で、性的マイノリティの人々が求職時に困難を経験したり、就職後も職場でのハラスメントを経験したりするケースがあることから、企業においても社内制度や顧客向けサービスのアップデートが求められている。そのため東京都では企業向けの取り組み支援を用意、情報提供のためのポータルサイトを開設した。

具体的な支援内容は、例えば「企業向け Tokyo LGBT相談 専門電話相談」がある。これは性的マイノリティの従業員への対応や社内での理解促進のための方法などについてアドバイスするもの。
また企業向け研修も随時、開催。LGBTQなどに対応する専門家が企業を訪問し、社内研修の企画・実施や社内施策に関する相談など個々の状況に応じた支援も行うという。
企業研修受講企業は任意で「LGBTQフレンドリー宣言」ができ、宣言企業は東京都のHPなどで紹介されている。
ポータルサイトではこれらの支援内容について情報提供しているほか、LGBTQフレンドリー宣言企業の取り組み事例も掲載。「多様な性」やパートナーシップ宣誓制度の理解促進に向けた資料の掲載コーナーもあり、社内研修などで配布もできる。
現在、YouTube配信による企業向け研修「LGBTQも働きやすい職場づくり〜全ての人が豊かに働ける職場を目指して〜」が配信されている(事前登録制、視聴無料)。今後の配信も予定されており、企業の取り組みをより一層推進していく。
「性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト」の開設について(東京都) 性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト(東京都) 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例 東京都パートナーシップ宣誓制度


「産業保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下