女性の就業者数は22万人増 "M字カーブ"は台形に近づく 厚労省「令和4年版 働く女性の実情」

厚生労働省はこのほど「令和4年版 働く女性の実情」を公表。
結婚や出産期にいったん低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇する女性の労働力率(M字カーブ)は谷の部分が浅くなり、「台形」に近づきつつあることなどがまとめられた。
厚生労働省は昭和28年から働く女性に関する動きを取りまとめ、「働く女性の実情」として毎年、紹介。働く女性の実態とその特徴を明らかにするとともに、厚労省が実施している対策について紹介している。
今年度のまとめからは以下のような点が明らかになった。まず総務省の「労働力調査」では、令和4年の女性の労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は3096万人で前年比16万人の増加。労働力人口総数に占める女性の割合は 44.9%でゆるやかに上昇を続けている。
女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は54.2%(前年比0.7ポイント増)。女性の労働力率を年齢階級(5歳階級)別に見ると、多くの年代で過去最高水準となった。結果、「25〜29 歳」(87.7%)と、「45〜49 歳」(81.9%)を左右のピークとし、「35〜39 歳」(78.9%)を底とするM字型カーブは、「台形」に近づきつつある。

女性雇用者数は2765万人で、前年比26万人増。男性の雇用者は3276万人で、雇用者総数に占める女性の割合は45.8%。年齢階級別では「45〜49歳」が354万人で最も多く、「50〜54歳」(345万人)、「40〜44歳」(294万人)の順に続く。
産業別では「医療、福祉」が669万人で最も多く、女性雇用者総数の24.2%を占める。次いで多いのは「卸売業、小売業」の516万人、「製造業」の297万人など。前年に比べて「医療、福祉」は10万人増で、最も雇用者数の増加が大きかった。

政府は男女均等取扱い実現するために「ポジティブ・アクション」の取り組みを進めている。これは固定的な男女の役割分担意識や過去の経験から生じている「営業職に女性がほとんどいない」「課長以上の管理職は男性が大半」といった男女差を是正する取り組みのこと。
ポジティブ・アクションに取り組むことで、女性社員の積極的参加による業績アップ、社内の活性化や社員の定着率向上など企業経営にもプラスの効果があると期待されている。
令和4年版「働く女性の実情」(厚生労働省) 内閣府男女共同参画局「ポジティブアクション」


「産業保健」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下