毎年3月は子ども予防接種週間 「5種混合ワクチン」は今年4月から定期接種へ
日本医師会や厚生労働省などは毎年3月、入園・入学前に予防接種について関心を高めてもらおうと「子ども予防接種週間」を定めている。
令和5年度も3月1日から7日までの7日間で実施。全国的に広報を強化し、期間中、各都道府県の医師会らが接種機会の拡大などで協力し、予防接種率向上を目指す。
「子ども予防接種週間」は日本医師会、日本小児科医会、厚生労働省、こども家庭庁の主催で毎年実施している。文部科学省、「健やか親子21」推進本部後援。
入園や入学で集団生活に入る前に、ワクチンで防ぐことができる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)について保護者らに知ってもらい、予防接種率の向上を図るのを目的としている。
2023年4月から、これまで接種開始年齢が生後3カ月からだった4種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオ)が、生後2カ月からに変更となった。生後6カ月未満で感染すると重症化しやすい「百日せき」を予防するため、接種開始時期を1カ月前倒しにした形だ。さらに、この4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えた5種混合ワクチンが4月から定期接種となる予定。
このようにワクチンに関する情報は随時、変更されることから、保護者への啓発が重要となる。NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」のWebサイトによると、日本は欧米諸国に比べて、まだまだVPDにかかる子どもたちが多いという。
そのため、子ども予防接種週間では、全国の都道府県医師会らの協力を得て、予防接種機会の拡大や広報活動の強化などが予定されている。
厚生労働省の発表では、2022年度の「第1期麻しん風しんワクチン接種率」は全国平均で95.4%。コロナ禍による受診控えの影響が見られた21年度は93.5%だったが、95%台まで回復したものと考えられる。
一方、東京都では昨年12月に3件の麻しん感染報告があった。2023年の累計では10件となる。全国の年累計は28件。麻しんは感染力が強く、空気感染するため、ワクチン接種が最も有効な予防法となる。日本では1回しか定式接種を受けていない、もしくは一度も受けていない世代があり、さらに海外では麻しんが流行している地域もあることから、より一層の接種率向上が求められる。
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