ストレスはメタボ・肥満のリスクを高める 労働者の長期休職をストレスチェックで予測
ストレスは炎症を悪化させメタボの危険性を高める
ストレスは加齢にともない増えるさまざまな健康リスクを高める。ストレスは、体内で炎症を悪化させ、肥満やメタボリックシンドロームのリスクを高めることが、米オハイオ州立大学の新たな研究で示された。 メタボリックシンドローム(メタボ)は、心臓病や2型糖尿病などの健康リスクを高める5つの要因[内臓脂肪の蓄積、高血圧、善玉のHDLコレステロールの低下、空腹時血糖値の上昇、中性脂肪(トリグリセリド)の上昇]が重なった状態。 血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効果を十分に発揮できなくなるインスリン抵抗性が、大きく関わっていると考えられている。不健康な食事や運動不足、睡眠不足などが原因で肥満になると、インスリンが働きにくくなる。ストレスが炎症を亢進 肥満・メタボのリスクを高める
研究は、米国国立老化研究所(NIA)などの支援を得て行われた。研究グループは、米国で実施されている全国調査である「米国中年期研究」(MIDUS)に参加した、平均年齢52歳の男女648人を対象に調査を実施した。 C反応性タンパク(CRP)、インターロイキン-6(IL-6)などの炎症バイオマーカーや、高値になると血栓ができやすくなるフィブリノゲンなどの値から、ストレスとメタボの関連に炎症がどのように関わるかを測定するモデルを構築した。 その結果、ストレスはメタボに大きく影響しており、炎症がその関連の61.5%に関与していることを明らかにした。ストレス管理によりリスクを軽減できる
「ストレスは心の病気に関わるもの、つまり心理的なものだと考える人が多いのですが、慢性的なストレスは炎症やメタボなど、さまざまな身体的な問題に関わっていることが示されました」と、同大学心理学部のジャスミート ヘイズ氏は言う。 「生活スタイルなどの環境因子や遺伝因子など、メタボに影響を与えるものは数多くあります。そのなかには、遺伝など変えられないものもありますが、変えられるものも多くあります」。 「今回の調査は、中年期の人々を対象に実施したものです。中年期は、老化の進行が速まる時期です。日常で簡単に取り組める、安価なストレス管理法をみつけることが、健康改善に役立つ可能性があります」としている。▼ イライラすることがある (オッズ比 0.559)
▼ 非常に疲れを感じることがある (オッズ比 1.799)
▼ 落ち着かない気分になることがある (オッズ比 1.580)
▼ 悲しい思いをすることがある (オッズ比 1.590)
▼ 家庭生活に満足している (オッズ比 0.627)。
Inflammatory biomarkers link perceived stress with metabolic dysregulation (Brain, Behavior, & Immunity - Health 2023年12月)
Predictability of the National Psychological Stress Screening for Subsequent Long-Term Psychiatric Sick Leave Among Employees: A Multicenter Nested Case-Control Study (Journal of Occupational and Environmental Medicine 2024年5月) 5分でできる職場のストレスセルフチェック (働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」、厚生労働省)
厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム ダウンロードサイト
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