「働く世代」は睡眠不足・野菜不足、男性は肥満、女性は飲酒が増加
3年ぶりに『令和4年 国民健康・栄養調査』公表
厚生労働省は8月28日、『令和4年 国民健康・栄養調査』の結果を公表した。
新型コロナ感染症の拡大により2年間見送られたため、調査は3年ぶりとなる。それによると「働く世代」ではこの10年間をみると、睡眠不足や野菜摂取量が減少し、男性では肥満が、女性では過度の飲酒が増加していた。
調査は令和4年11〜12月に実施し、全国の約2,900世帯から回答を得た。
男性の37%、女性の40%が「睡眠時間が6時間未満」
先ごろ公表された厚生労働省の『令和4年 国民健康・栄養調査』によると、「ここ1か月間、睡眠で休養が十分にとれていない」人の割合は20.6%と、20歳以上の5人に1人に上ることがわかった。平成21年からの推移でみると男女とも統計的に「有意に増加していた」という。特に30歳代が27.5%、40歳代28.4%、50歳代29.4%と高い割合だった。
1日の平均睡眠時間をみると、「6時間以上7時間未満」の割合が最も高く、男性32.7%、女性36.2%。睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性37.0%、女性39.9%で、男性の30~50歳代、女性の40~60歳代では4割を超えていた。まさに「働き盛り世代の睡眠不足」は大きな健康課題といえる。
出典:令和4年 国民健康・栄養調査結果の概要(2024.8)P.18 より
若者の野菜不足
食生活の状況をみてみると、野菜摂取量の平均値は270.3gで、男性が277.8g、女性は263.9g。この10年間でみると男女とも有意に減少していた。年齢別にみると男女ともに20歳代で最も少なく、年齢が高い層で多い。
厚労省では1日あたりの野菜の摂取量を350g以上にすることを推奨しており、特に若い世代の20~40歳代はそれよりも100g以上少なく、野菜不足であることがわかった。
出典:令和4年 国民健康・栄養調査結果の概要(2024.8)P.15 より
一方、食塩摂取量の1日あたりの平均値は9.7gで、男性10.5g、女性9.0gだった。この10年間でみると男女とも有意に減少している。摂取量は年齢とともに増加する傾向にあり、最も少ないのは20歳代で男性9.9g、女性7.9g、最も高いのは70歳以上で10.9gと9.4gだった。
ちなみに『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、食塩摂取量の目安は男性7.5g未満、女性6.5g未満としている。「健康日本21」の第二次では食塩摂取量の減少目標値は8g、今年度から取り組みをスタートさせた第三次では7gと設定している。
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年11月11日
- 「加熱式タバコ」もやはり危険 従来のタバコと同様に健康リスクが がん細胞の増殖を促進 細胞死も
- 2024年10月28日
- 大腸がん検査は40代から受けると効果が大きい 大腸がん検診は死亡リスクを大幅に減少 検査を受けることが大切
- 2024年10月28日
- 子供の肥満が世界で増加 過去30年で2倍に増えパンデミックに 子供たちと家族の健康な未来に向けた取り組みが必要
- 2024年10月28日
- 「妊娠糖尿病」が増加 食事と運動に取り組めば予防・改善できる どの女性にもリスクが
- 2024年10月21日
- 健診で脂質異常を指摘されても医療機関を受診しない人の特徴は? ふだん医療機関と接点がない人が未受診の可能性 筑波大学
- 2024年10月15日
- スマホをいじる時間を1時間減らすだけでメンタルヘルスは改善 仕事への満足度も向上 スマホ依存は孤独や不安を高める?
- 2024年10月15日
- 「尿ナトカリ比」で塩分と野菜のバランスがわかる 食事を改善し高血圧に対策 健診などで安価・簡便に測定できる 保健指導に活用
- 2024年10月15日
- 女性に特化した「ビタミンD欠乏リスク判定ツール」を開発 簡単な質問に答えるだけでビタミンD不足が分かる 大阪公立大学
- 2024年10月10日
- 70代の4割に週2日以上の運動習慣 生活習慣の改善に対する意識は「二極化」ー健保連『特定健診の問診回答に関する調査』
- 2024年10月07日
- 【10月20日は世界骨粗鬆症デー】骨を丈夫にするためにカルシウムとビタミンDが必要 こんな人がビタミンD不足に