「妊娠糖尿病」が増加 食事と運動に取り組めば予防・改善できる どの女性にもリスクが
妊娠糖尿病を発症する女性は増えている
国際糖尿病連合(IDF)によると、妊娠糖尿病(GDM)は、妊娠中に発症し、多くは出産後に消失する、血糖値が高くなった状態(糖代謝異常)。 妊娠中の高血糖は、母親と赤ちゃんの健康に影響を及ぼし、高血圧、早期産、羊水異常、巨大出生体重児など、合併症を引き起こす可能性が高まる。 妊娠中に胎盤から、血糖の調節をするインスリンの働きを妨げる可能性のあるホルモンが分泌されるとみられている。これはインスリン抵抗性として知られており、インスリンの働きが抑えられた状態で、妊娠中に起こる正常な現象の一部だか、一部の女性ではインスリン抵抗性が亢進して、妊娠糖尿病が引き起こされることがある。出生児の17%は妊娠中に母体で高血糖が
IDFは、世界で2021年には約2,110万人(16.7%)の出生児で、妊娠中に母体で何らかの高血糖がみられたと推定している。とくに40代からの高齢出産になると、妊娠中に高血糖になるリスクは高くなるとみられている。 GDMは、母親に長期的な影響を及ぼす可能性がある。GDMの病歴がある女性は、出産後5~10年以内に、2型糖尿病を発症するリスクが高くなるとみられている。 また、妊娠中に高血糖レベルにさらされた子供は、成長してから太りすぎや肥満になりやすく、2型糖尿病を発症するリスクも高くなる可能性があるという報告がある。必要な治療を早期にはじめることが大切
妊娠糖尿病には症状がないこともあり、症状がないのに突然に診断され、ショックをうける妊婦も少なくない。 妊娠糖尿病と診断された女性は、お母さんや赤ちゃんの合併症を予防するため、妊娠中の血糖を正常にするよう、適切に管理する必要がある。かかりつけ医など医療チームと相談しながら、準備をして計画的に妊娠をすることが大切になる。 妊娠糖尿病はほとんどの場合、血糖値を管理するために、食事や運動などの生活スタイルの変更と、必要に応じてインスリンなどの薬物療法を行うことで、安全・適切に管理できる。 妊娠糖尿病の早期発見は、必要な治療を早期に開始するために不可欠であり、母親と赤ちゃんの両方の合併症を防ぐのに役立つ。 妊娠糖尿病が発見された場合も、血糖を適切に管理できていれば、合併症もなく通常通りに出産し、産後も血糖が正常化することが多い。 「妊娠糖尿病の早期治療は、あなたと赤ちゃんの健康問題を防ぐのに役立ちます。重要なのは、適切に対応できるようにするため、検査を受けて、妊娠糖尿病が発見された場合は、治療計画をたてることです」と、米国糖尿病学会(ADA)では注意を促している妊娠糖尿病の検査を受けることを推奨
妊娠糖尿病のリスクが高い女性は、出産前の診察時に検査を受けることが勧められている。さらにすべての妊婦は、妊娠初期から中期に妊娠糖尿病の検査を受けることが推奨されている。 妊娠糖尿病を診断する前に、まずはスクリーニング検査が行われることが多い。スクリーニング検査は、症状のあらわれていないが可能性のある人に対して、病気をみつけるために行う検査。 妊娠初期には「随時血糖」の検査が、中期には「50gグルコースチャレンジテスト」(50gGCT)による検査が行われている。 随時血糖は、通常の血糖検査で、ふつうに食事をとった状態で血糖値を測定する検査。50gグルコースチャレンジテストは、糖分の入った検査用の飲料を飲んでもらい、1時間後に血糖値を測定する検査。 スクリーニング検査で血糖値が高い(陽性)場合は、妊娠糖尿病の診断のための検査(75gブドウ糖負荷試験)が行われる。健康的な生活スタイルにより予防・改善できる
The Idf Approach for Care and Management of Gestational Diabetes Mellitus (国際糖尿病連合)
Gestational Diabetes: Can you have gestational diabetes and a healthy baby? Yes. (米国糖尿病学会) A healthy lifestyle helps to prevent gestational diabetes in those at highest genetic risk (ヘルシンキ大学 2022年5月4日)
Genetic risk of type 2 diabetes modifies the effects of a lifestyle intervention aimed at the prevention of gestational and postpartum diabetes (Diabetologia 2022年4月30日)
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