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「ラジオ体操」は健康効果が高い フレイルやプレフレイルが改善 日本人高齢者を対象に試験を実施
2024年12月16日
東京都健康長寿医療センターなどは、「ラジオ体操の健康効果の検証に向けた共同研究」の結果を公開した。日本人高齢者226人を対象に、12週間のランダム化比較試験を実施。
その結果、ラジオ体操の実践は、フレイルまたはプレフレイルの高齢者の敏捷性/バランス、持久力の向上、運動を継続する自信の維持に有益であることが明らかになった。
「ラジオ体操は、いつでも、どこでも、誰でも手軽に行え、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など、健康を維持するために必要な体力要素がバランスよく入っています」としている。
ラジオ体操の健康効果を検証 日本人高齢者を対象に試験を実施
研究は、東京都健康長寿医療センター、東京医科大学、全国ラジオ体操連盟、かんぽ生命保険によるもの。研究成果は、「Journal of Epidemiology」に掲載された。 ラジオ体操は、かんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局によって1928年に制定され、2028年に生誕100年を迎える。 かんぽ生命が2024年に全国の20歳~69歳の男女2,400人を対象に実施した一般消費者調査では、ラジオ体操の国内での認知率は88.2%と高いものの、1週間に1回以上行っている人の割合は12.1%にとどまることが示された。 そこで研究グループは、「ラジオ体操の健康効果の検証に向けた共同研究」を実施した。フレイルあるいはプレフレイルの日本人高齢者226人を対象に、12週間のランダム化比較試験を実施。ラジオ体操が健康関連QOL・運動能力などに及ぼす効果を検証した。 フレイルは、機能的な能力が低下し、要介護状態におちいる危険性が高い状態で、プレフレイルはその前段階だ。ラジオ体操がバランス能力や持久力などを改善
運動に対する自己効力感も向上
研究グループは、参加者を介入群(ラジオ体操+栄養プログラム、104人)、あるいは対照群(栄養プログラムのみ、105人)にランダムに割りあて、ラジオ体操プログラムは、自宅で受ける5回の60分間のグループセッションと毎日の運動で構成されていた。
その結果、ラジオ体操の実践は、フレイルあるいはプレフレイル高齢者の敏捷性/バランス、有酸素持久力の向上に有益であることが明らかになった。
ラジオ体操の12週間の実践に取り組んだ高齢者は、運動に対する自己効力感を示す運動セルフエフィカシーも向上した。一方で、健康関連QOLの改善は有意差がみられなかった。
ラジオ体操の1日の実施率の中央値は94.1%と高く、継続しやすい運動であることも示唆された。
「国民の皆さまに、医学的な検証結果にもとづくラジオ体操の健康効果を知っていただき、1人でも多くの方にラジオ体操を継続的・習慣的に行っていただきたい」と、研究者は述べている。
「超高齢社会を迎え、寿命が伸び、人生の長い期間にわたり、質の高い生活を維持するための取り組みが重要視されるようになった日本で、これからもラジオ体操の普及・促進を通じて健康寿命の延伸、生きがいを持てる社会の実現を目指します」と、かんぽ生命では述べている。
出典:かんぽ生命、2024年
企業向けラジオ体操プロジェクト (かんぽ生命)ラジオ体操・みんなの体操 (かんぽ生命) 東京都健康長寿医療センター
Effects of Radio-Taiso on Health-related Quality of Life in Older Adults With Frailty: a Randomized Controlled Trial (Journal of Epidemiology 2024年10月5日)
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