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妻が幸せなら夫も幸せ 夫婦間には多くの相関があり生活習慣も似ている 夫婦いっしょに保健指導?

 妻(夫)の幸福感が高いほど、配偶者であるその夫(妻)の幸福感も高いことが、大規模な調査データから明らかになった。

 「夫婦の幸福感は、相互依存性が大きな特徴としてみられます」と、研究者は述べている。

 夫婦は生活習慣が似ており、多くの相関がみられ、病気のかかり方にも類似性がみられることも明らかになっている。

 「健康診断などで夫婦いっしょに保健指導を行う、夫婦で励ましあう環境を作るといった施策が効果的である可能性があります」と、研究者は述べている。

夫婦はお互いに影響し合う 幸福感にも影響

 妻(夫)の幸福感が高いほど、配偶者であるその夫(妻)の幸福感も高いことが、久留米大学などによる、日米の5,319組の夫婦を対象とした調査データの解析で明らかになった。

 日米をとおして、妻(夫)の幸福感が高いほど、63.3%の確率でその夫(妻)の幸福感も高いことが示された。

 人間関係、とくに夫婦関係が幸福感の源泉になることは、心理学や社会学、疫学などの分野では知られているが、夫婦関係がどのようにして幸福感を高めるのかは明らかになっていない。

 そこで社会心理学では、2人の認知や感情(心の働き)が、お互いに影響し合うことを、相互依存性と呼び、さまざまな検討が行われている。

 「本研究の成果は、夫婦の幸福感にも、こうした相互依存性が大きな特徴としてみられることを示しています。本知見をきっかけに、人間関係と幸福感の結びつきに対する理解が深まると期待されます」と、研究者は述べている。

 研究は、久留米大学文学部心理学科の浅野良輔准教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Personality and Social Psychology Bulletin」に掲載された。

夫婦は生活がいっしょ 病気もいっしょ?

日本・オランダの夫婦ペアを調査

 東北大学による別の研究では、日本とオランダの計約3万組の夫婦ペアを対象に調査し、夫婦は生活習慣が類似しており、夫婦間で多くの相関がみられ、病気のかかり方に類似性がみられることも明らかになっている。

 研究は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構 健康行動疫学分野の中谷直樹教授らによるもの。研究成果は、「Atherosclerosis」に掲載された。

 研究グループは、日本(東北メディカル・メガバンク計画)とオランダ(フローニンゲン大学Lifelines研究)の公的バイオバンクを利用し、一般地域住民の夫婦ペアの生活と健康の関係について、国際共同研究を実施。

 日本とオランダの計約3万組の夫婦ペアを対象に、生活習慣、医学検査値、疾病の類似性を検討した。

 その結果、さまざまな項目で、配偶者同士の類似性が確認された。夫婦間では、遺伝的には類似性が低いが、生活習慣は類似性が高く、多くの相関がみられた。生活習慣の重要性が示唆された。

夫婦は高血圧、糖尿病、メタボなども共有しやすい?

 夫婦の類似性の相関係数は、体重や腹囲で高い値が示され、生活習慣についても、喫煙・飲酒・運動などの習慣の類似性がみられた。

 疾病についても、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどは、夫婦で類似性が示された。

 なお、参加した夫と妻の平均年齢は、東北メディカル・メガバンク計画は63.2歳と60.4歳、Lifelines研究は50.0歳と47.7歳だった。

 「心血管・代謝疾患を予防するための新たな方略として、健康診断などで夫婦いっしょに保健指導を行う(問題認識の共有)、夫婦で励ましあい・競争しあうような環境を作る(日常生活での健康管理)といった施策が考えられ、効果的な生活習慣への改善が期待できます。また、夫婦は環境要因を共有していることから、疾病との関連をより明確にできる可能性があります」と、研究者は述べている。

久留米大学文学部心理学科
The Interdependent Nature of Well-Being: Evidence From American and Japanese Spouses (Personality and Social Psychology Bulletin 2024年10月24日)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)
Spousal similarities in cardiometabolic risk factors: A cross-sectional comparison between Dutch and Japanese data from two large biobank studies(Atherosclerosis 2021年8月26日)

[Terahata]