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最優秀賞は岐阜県飛騨市! 第13回「健康寿命をのばそう!アワード」生活習慣病予防分野

 厚生労働省とスポーツ庁が健康増進・生活習慣病予防、介護予防推進で優れた取り組みをしている企業や団体、自治体を表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」の第13回表彰式がこのほど開催された。

  今回は「生活習慣病予防分野」で21件、「介護予防・高齢者生活支援分野」で13件の企業、団体、自治体が表彰され、「生活習慣病予防分野」では、岐阜県飛騨市の取り組みが厚生労働大臣最優秀賞に輝いた。

 「生活習慣病予防分野」は 国民の生活習慣を改善し、健康寿命をのばすための運動「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として実施している。

 従業員や職員、住民に対して、生活習慣病予防の啓発、健康増進のための優れた取り組みをしている企業や団体、自治体から今回は113件の応募があった。

 厚生労働大臣最優秀賞には岐阜県飛騨市役所の『今日も「まめなかな!」減塩食品・料理の普及活動による食環境整備2019-2024 〜地元企業での減塩中華そば開発と導入に至るまで〜』が選ばれた。

 そのほか、厚生労働大臣優秀賞に3件、スポーツ庁長官優秀賞に3件、厚生労働省健康・生活衛生局長優良賞に14件が選ばれた。

厚生労働大臣最優秀賞は岐阜県飛騨市「減塩」の取り組み

 厚生労働大臣 最優秀賞に選ばれた岐阜県飛騨市は県最北端にあり、寒冷な気候。さらに海から遠いこともあり、古くから「塩蔵文化」が発達してきた。そのような背景が関係しているのか、死亡や介護の原因となる疾患上位を脳血管疾患や心疾患が占め、特に平成30(2018)年にはⅡ度以上高血圧の人の割合が県内でワースト1位となった。実際、住民を対象に実施している尿中塩分測定では塩分の過剰摂取が明らかになっており、「減塩」が最重点課題になっていた。

 一方、近隣の下呂市では減塩の取り組みが功を奏し、高血圧の人の割合が減少していた。似た環境、食文化を持つ地域で結果が出ていることから、飛騨市でも減塩対策を強化して実践することを決定。「小売業(酒店・食料品店・スーパー・調剤薬局)」、「飲食業」、「製造業(製麺)」という3つの業界と連携し、減塩の食環境を整備することとした。

 たとえば小売業には、⽇本⾼⾎圧学会(JSH)減塩委員会が選定している、対照品に比べて20%以上の減塩をしている「減塩⾷品」の販売を依頼。また飲食業の協力店舗には、減塩料理を提供するとともに、健康に資する可能性のある栄養バランスのとれた食事を提供する店舗として「スマートミール」認証を受けてもらった。

 さらに製造業(製麺)では、日本高血圧学会減塩委員会のアドバイザーだった野村義博氏に相談し、減塩中華そばを開発。市民にとって「ソウルフード」である中華そばの減塩品は、飛騨市の減塩施策のフラッグシップとしての意味を持ち、多くのメディアでも取り上げられるなどして啓発につながったという。

 また「令和の書」で著名な飛騨市出身の茂住菁邨氏が「減塩」の書(シンボルマーク)を手掛け、広報や周知に一役買った。

 取り組みの結果、県内ワースト1位にもなったことがある特定健診のⅡ度以上の高血圧者の割合は2022年には県内42市町村中35位まで改善。また特定健診受診者の高血圧の有病者率は、2018年の32.5%から2022年には20.4%まで減少、尿中塩分10gを超える構成比はピーク時の2021年38.6%から2023年33.3%まで減少した。

 2023年の健康寿命は男80.30歳(2018年対比+0.12)、女85.00歳(同+0.61)と延伸している。

 今後も取り組みを継続し、中華そば以外の食品の減塩化、飲食店との新たな減塩メニュー開発などを検討していくという。

デジタル技術の活用で評価も

 また厚生労働大臣優秀賞(自治体部門)では、宮崎県都城市の『デジタルで紡ぐ健康長寿都市!スマイルみやこんじょで健康寿命延伸・認知症予防革命』が選ばれた。

 都城市の高齢化率は31.8%と高く、このうち認知症の症状があると思われる高齢者は8,000人と市人口の約5%を占める。認知症予防は全国的な課題だが、特に広大な面積がある都城市では運転における認知機能を向上させ「運転寿命」を延伸させることも欠かせない。

 そこで都城市では「誰もが」「気軽に」自分の認知症リスクを把握し、対策に取り組むことができるよう、デジタル技術を活用した認知症の予防を図るサービス「スマイルみやこんじょ」の提供を開始。

 マイナンバーカード認証で利用者を市民だけに限定し、1分でできる楽しい脳トレゲームや、音楽に合わせて手足を動かしながら頭の体操をするプログラム、AIキャラクターと会話を楽しめるコンテンツのほか、幅広い内容の講座受講サービスや書籍の要約を読めるサービスなどを提供している。

 高齢者だけではなく、20~60代の労働生産年齢人口も利用しており、認知症の早期予防効果が期待できるという。

「介護予防・高齢者生活支援分野」も表彰

 一方、「介護予防・高齢者生活支援分野」には54件の応募があり、NPO法人「JAあづみくらしの助け合い ネットワークあんしん」の『皆の願いを実現する地域協同の取組 人と人との支え合いの循環が、あんしんして暮らせる里をつくる』が厚生労働大臣 最優秀賞に選ばれた。

▼動画「第13回 健康寿命をのばそう!アワード」

「第13回 健康寿命をのばそう!アワード~受賞企業・団体・自治体を決定し、表彰式を開催しました~」(厚生労働省/2024年12月3日)

[yoshioka]
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