睡眠で休養が十分とれている人は約6割-令和4年度「業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査」より

飲酒や喫煙習慣、健診結果やメンタルヘルスの状況について業態ごとに違いが見られた。
令和4年度の特定健診・特定保健指導データとレセプトデータから、業態別に被保険者の健康状態や服薬の状況、メンタル系疾患の有病者割合などをまとめたもの。具体的には「生活習慣」「健康状態」「医療受診状況」について各項目について調べた。
このうち「生活習慣」では食事や睡眠、飲酒・喫煙などについて結果をまとめている。
飲酒習慣については、飲酒日の1日当たりの飲酒量が「3合以上」の割合は全体の4.8%。業態別に見ると「労働者派遣業」が9.3%で最も高く、次いで「不動産業・物品賃貸業」が7.2%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が7.1%と続く。一方、「医療・福祉」は2.8%で最も低い割合だった。
喫煙習慣については、「現在、たばこを習慣的に吸っている」と答えた人は全体の25.8%。男女別では男性が31.4%、女性が13.3%。男性で高い割合を示した業態は「木製品・家具等製造業」37.6%や「印刷・同関連業」が37.3%。女性で高い割合を示した業態は「宿泊業・飲食サービス業」25.3%、「飲食料品小売業」20.6%、「飲食料品以外の小売業」18.6%などだった。
睡眠についても聞いている。「睡眠で休養が十分とれている」と答えた人は全体で62.4%。「電気・ガス・熱供給・水道業」が70.8%と高い割合だった一方、「紙製品製造業」(47.3%)や「木製品・家具等製造業」(48.1%)が低かった。
続いて「健康状態」の調査結果を見ていくと、「肥満」に該当する人の割合は全体の43.1%。建設業(51.9%)、労働者派遣業(51.6%)、運輸業(47.9%)の順に多かった。
一方、血圧・脂質・血糖・肝機能の健康診査検査値が基準範囲内(リスクなし)に入っている人の割合は29.4%。建設業(22.4%)、運輸業(23.6%)など、「肥満」に該当する人の割合が多かった業態で、健診検査値が基準範囲に入っている人の割合が低かった。
同様に、メタボリックシンドロームに該当する人の割合も全体では16.8%だったのに対し、建設業は23.4%、運輸業が21%と高かった。
最後に「医療受診状況」のまとめを見ると、気分の波が主な症状として表れる「気分(感情)障害」(躁うつ病を含む)の被保険者に占める入院外の有病者割合(年間平均)は2.4%。業態別では情報通信業(3.3%)、学術研究・専門・技術サービス業(3.0%)が高かった。
同様に「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」の被保険者に占める入院外の有病者割合(年間平均)は2.1%で、業態別では情報通信業(2.7%)、教育・学習支援業(2.6%)、学術研究・専門・技術サービス業(2.5%)などの順に高かった。まとめでは、業態別に健診検査値や問診回答のレーダーチャートも公開している。
業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査【令和4年度】(健康保険組合連合会/2024年11月)

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