睡眠不足で食欲が亢進 睡眠は体重増加にも影響

この研究は、米コロラド大学の研究チームが行ったもの。「睡眠時間が短いという条件だけでは体重は増加しませんが、十分な睡眠をとれないことで、食欲が引き起こされ、体が必要とする量以上の食品を食べすぎてしまい、結果として肥満につながるのです」と、コロラド大学のケネス ライト氏(生理学)は話す。
研究に参加したボランティアは、男性8人と女性8人で、平均年齢は22歳だった。研究チームは、参加者に研究所に寝泊まりしてもらい、ベースライン時には3日間、1日9時間の睡眠をとってもらった。
2週間の期間中は、睡眠時間を1日5時間に制限し、食事の内容やカロリー摂取量と酸素消費量を正確に記録した。
参加者は、睡眠時間は最小限しかとらなかったが、果物やヨーグルト、アイスクリームからポテトチップスまで、食べたいだけ食べてもよいという条件を付けた。
食事によるカロリー摂取量が、運動や身体活動によって消費するカロリーより多いと、体に脂肪がたまり肥満となる。十分な睡眠をとっていない参加者は、食欲が亢進し、カロリー摂取量が身体活動量を上回る傾向がみられた。
2週間後、睡眠時間を十分にとらなかった参加者の体重は平均して1kg増えていた。睡眠時間を正常に戻すと、食欲も正常化し体重増は解消した。
「睡眠時間を1日5時間に制限すると、カロリー消費量は平均5%増えましたが、カロリー摂取量も6%増えました。参加者の多くは、睡眠不足が続くと、朝食はあまりとらないけれど、日中にポテトチップスやスナック類などを食べて、夜遅くまで食べ続けるという不健康な生活をするようになりました」(ライト氏)。
食欲に関連するホルモンとして、「レプチン」と「グレリン」が知られている。レプチンは脂肪組織によってつくりだされるホルモンで、グレリンは胃から分泌されるホルモン。ともにエネルギーの取込みと消費の調整において重要な役割を果たしている。
期間中に参加者の血中のレプチン値とグレリン値が上昇したが、肥満の原因をすべて説明できるほどではなかった。「2週間という期間は短かったかもしれません。しかし、ホルモンの影響以外に、睡眠不足が直接に過食を引き起こしている可能性も考えられます」と、ライト氏は指摘する。
食事や運動で体重コントロールを試みていても、睡眠時間を十分にとらないでいると、狙ったとおりの減量効果を得られにくいかもしれない。「睡眠不足が1週間続いただけでも、食欲に影響し太りやすくなってしまうことに注意してください」と、研究者はアドバイスしている。


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