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くるみを加えた地中海食が脳卒中と心血管のリスクを抑制
2013年05月24日


α-リノレン酸、EPA、DHAなど。α-リノレン酸はEPA、DHAへと代謝される。コレステロール値、中性脂肪値を下げ、動脈硬化を防ぎ、血管を健康にする作用がある。そのほかにオメガ3系脂肪酸の効用として、心臓病、がん、脳溢血・脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満など、いわゆる生活習慣病を改善する多様な効能が報告されている。

リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸など。リノール酸はγ-リノレン酸、アラキドン酸へと代謝される。血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあるが、過剰摂取はアレルギーなどの炎症と関係することから、適度な摂取が大切となる。
くるみを食べるとコレステロール値が改善 心臓発作や脳卒中を予防
くるみを食べる習慣は、コレステロール値を改善して、心臓発作や脳卒中といった心血管疾患の予防に役立つことが、実際に研究で確かめられている。
この研究は、米ハーバード大学のフランク フー氏らが、医学誌「The American Journal of Clinical Nutrition」に2009年に発表したもの。
フー氏らは、血中脂質に対するくるみの効果を評価するために、過去に発表された13件の研究をメタ解析した。同じ食事内容で、くるみを食べた場合と、食べなかった場合(対照群)を比較し、365人のデータを調査した。
13件の研究では、食事の総カロリーの10∼24%をくるみから摂取した食事を4∼24週間続けた結果を評価している。1日あたり2,000kcalの食事であれば、30∼70gのくるみを毎日食べたことになる。
くるみを加えた食事をした群では対照群に比べて、総コレステロール値と、悪玉のLDLコレステロール値が大きく減少していた。平均で、総コレステロール値は10.3mg/dL低下し、悪玉コレステロール値は9.2mg/dL低下した。
研究ではさらに、くるみが特定の抗酸化物と炎症マーカーに大きな便益をもたらしたことも発見した。また、体重の増加のような悪影響は全くないことも確かめられた。
「くるみを毎日食べると、総コレステロール値とLDLコレステロール値が減少することが示されました」と研究者は述べている。今後、心血管系リスクと体重へのくるみの効果を評価するために、さらに大規模で長期間の臨床試験が必要だと付け加えている。
- Effects of walnut consumption on blood lipids and other cardiovascular risk factors: a meta-analysis and systematic review
- カルフォルニアくるみ協会
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