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女性の飲酒には危険がいっぱい 女性の飲酒が増加
2013年05月29日
女性は男性に比べ飲酒量が増えやすく、男性に比べ、より少ない飲酒量と飲酒期間で弊害があらわれやすい。「女性は特にお酒の飲み過ぎに注意したほうがよい」と専門家は呼びかけている。
女性の飲酒が増えている背景として、女性の社会進出が浸透し、責任のある仕事に就く女性が増え、お酒を通じたコミュニケーション機会が増加したことなどが挙げられる。飲酒に対する抵抗感がなくなったことや、生活が豊かになり飲酒にお金をかける余裕が出てきたことも、女性の飲酒習慣と飲酒量の増加を後押ししているとみられる。 「お酒の飲み過ぎは男性だけでなく、女性でも起こりやすいことが、調査結果から示されました。女性は、男性に比べてより少ない飲酒量、より短期間でアルコールの害を受けやすく、肝臓障害、膵臓障害などの内臓疾患を発症しやすいので注意が必要です」と、ハーバード大学のベッティナ ヘップナー氏(心理学)は述べている。 ヘップナー氏ら研究チームは、飲酒習慣のある992人の大学生(男性 417人、女性 575人)を対象に、飲酒の頻度についてのアンケート調査を行った。インターネット上で1週間ごとに毎日の飲酒の回数と量について報告してもらった。 その結果、参加者の半数が米国立アルコール症研究所(NIAAA)が定めた飲酒の適量を超えていた。男性の45%、女性の51%が適量を超えており、女性の方が飲み過ぎが多いことが分かった。 1日の適量を超えて飲酒している人は、男性の25%、女性の28%で、やはり女性の方が過剰摂取が多いことが示された。 NIAAAは、米国の女性の節度のある適度な飲酒を、1日3杯以内、週に7杯以内と定めている。男性の場合は、1日4杯以内、週に14杯以内だ。 女性は男性に比べてアルコールの分解速度が遅く、体重あたり同じ量だけ飲酒しても臓器障害を起こしやすいことが知られる。アルコールの飲み過ぎは肝疾患、心臓病、種々のがん、睡眠障害などの危険性も高める。 その原因は、女性は男性に比べて体が小さく、肝臓が小さいことだが、体脂肪が男性より多いことも一因となる。アルコールは脂肪に溶けにくいため、体脂肪が多いと飲酒したときの血中アルコール濃度が高くなりやすい。 また、アルコールは主に肝臓で代謝されるが、女性ホルモンであるエストロゲンは肝臓のアルコール代謝を抑制するので、特に月経前はアルコール中毒になりやすいという報告がある。 そうした理由から、女性の飲酒量を男性に比べて少なくすることが推奨されている。男性の2分の1から3分の2程度が適当と考えられている。 ライフスタイルの変化から、女性の飲酒が増加しており、飲酒率は若い人ほど高くなっている。日本の厚生労働省の調査でも、女性の飲酒率は特に若い世代で40年前の約4倍に増えたことが示されている。 厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」と「多量飲酒」を定義しており、前者は「1日平均20g程度の飲酒」であり、後者は「1日平均60gを超える飲酒」としている。ここでいう20gは、酒に含まれる純アルコール量で、だいたいビール中瓶(500mL)1本、日本酒1合弱、ワイン4分の1本(180mL)に相当する。これは男性を基準とした飲酒量で、女性はより少量が適量となる。 Sex Differences in College Student Adherence to NIAAA Drinking Guidelines(米国アルコール症協議会 2013年5月17日)
アルコール情報ページ(厚生労働省)
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