ニュース

女性の飲酒には危険がいっぱい 女性の飲酒が増加

 女性は男性に比べ飲酒量が増えやすく、男性に比べ、より少ない飲酒量と飲酒期間で弊害があらわれやすい。「女性は特にお酒の飲み過ぎに注意したほうがよい」と専門家は呼びかけている。

 女性の飲酒が増えている背景として、女性の社会進出が浸透し、責任のある仕事に就く女性が増え、お酒を通じたコミュニケーション機会が増加したことなどが挙げられる。飲酒に対する抵抗感がなくなったことや、生活が豊かになり飲酒にお金をかける余裕が出てきたことも、女性の飲酒習慣と飲酒量の増加を後押ししているとみられる。

 「お酒の飲み過ぎは男性だけでなく、女性でも起こりやすいことが、調査結果から示されました。女性は、男性に比べてより少ない飲酒量、より短期間でアルコールの害を受けやすく、肝臓障害、膵臓障害などの内臓疾患を発症しやすいので注意が必要です」と、ハーバード大学のベッティナ ヘップナー氏(心理学)は述べている。

 ヘップナー氏ら研究チームは、飲酒習慣のある992人の大学生(男性 417人、女性 575人)を対象に、飲酒の頻度についてのアンケート調査を行った。インターネット上で1週間ごとに毎日の飲酒の回数と量について報告してもらった。

 その結果、参加者の半数が米国立アルコール症研究所(NIAAA)が定めた飲酒の適量を超えていた。男性の45%、女性の51%が適量を超えており、女性の方が飲み過ぎが多いことが分かった。

 1日の適量を超えて飲酒している人は、男性の25%、女性の28%で、やはり女性の方が過剰摂取が多いことが示された。

 NIAAAは、米国の女性の節度のある適度な飲酒を、1日3杯以内、週に7杯以内と定めている。男性の場合は、1日4杯以内、週に14杯以内だ。

 女性は男性に比べてアルコールの分解速度が遅く、体重あたり同じ量だけ飲酒しても臓器障害を起こしやすいことが知られる。アルコールの飲み過ぎは肝疾患、心臓病、種々のがん、睡眠障害などの危険性も高める。

 その原因は、女性は男性に比べて体が小さく、肝臓が小さいことだが、体脂肪が男性より多いことも一因となる。アルコールは脂肪に溶けにくいため、体脂肪が多いと飲酒したときの血中アルコール濃度が高くなりやすい。

 また、アルコールは主に肝臓で代謝されるが、女性ホルモンであるエストロゲンは肝臓のアルコール代謝を抑制するので、特に月経前はアルコール中毒になりやすいという報告がある。

 そうした理由から、女性の飲酒量を男性に比べて少なくすることが推奨されている。男性の2分の1から3分の2程度が適当と考えられている。

 ライフスタイルの変化から、女性の飲酒が増加しており、飲酒率は若い人ほど高くなっている。日本の厚生労働省の調査でも、女性の飲酒率は特に若い世代で40年前の約4倍に増えたことが示されている。

 厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」と「多量飲酒」を定義しており、前者は「1日平均20g程度の飲酒」であり、後者は「1日平均60gを超える飲酒」としている。ここでいう20gは、酒に含まれる純アルコール量で、だいたいビール中瓶(500mL)1本、日本酒1合弱、ワイン4分の1本(180mL)に相当する。これは男性を基準とした飲酒量で、女性はより少量が適量となる。

Sex Differences in College Student Adherence to NIAAA Drinking Guidelines(米国アルコール症協議会 2013年5月17日)
アルコール情報ページ(厚生労働省)

[Terahata]

「アルコール」に関するニュース

2021年01月26日
【新型コロナ】接触確認アプリ「COCOA」がコロナ禍の心理的ストレスを減らす? 企業従業員の心の健康をどう守るか
2021年01月26日
「脂肪肝」が手遅れになる前にスマホで早期発見 病気と認識してきちんと対策 「脂肪肝プロジェクト」を始動
2021年01月22日
1月23日は、健康生活習慣『一無、二少、三多』の日です。 「全国生活習慣病予防月間2021」は2月1日よりスタートします!
2021年01月18日
「和食」が健康にもたらすメリットは多い 5割が「健康に良い」、8割以上は「和食が好き」
2021年01月18日
冬の「ヒートショック」を防ぐ6つの対策 急激な温度変化は体にとって負担 血圧変動や脱水に注意
2021年01月12日
エビデンスに基づく保健指導の実現へ 健康診断のデータから生活習慣病の発症因子を推定 医療ビッグデータを解析する人工知能(AI)を開発
2021年01月05日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
2021年01月05日
【新型コロナ】「新宿歌舞伎町のホストクラブで感染拡大」は本当か? 従業員対象の実態調査 国立感染研が中間報告
2021年01月04日
保健指導リソースガイド【1年間でもっとも読まれたニュース ベスト15】1位はあの記事
2020年12月28日
ウーロン茶を飲むと「脂肪燃焼」が促される 肥満の抑制効果を期待 カフェイン以外が作用か
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,795 人(2021年05月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶