ニュース
女性の飲酒 大量飲酒で脳卒中リスクが2.3倍に上昇
2013年09月27日

お酒を1日当たり、日本酒なら1合以上、ビールなら中瓶1本以上飲む女性は、「お酒を時々しか飲まない」という女性と比べ、脳卒中になるリスクが1.5倍以上高くなるという研究結果を、大阪大学と国立がん研究センターのグループが発表した。
国立がん研究センターと大阪大などの研究チームは、岩手や長野、茨城など全国9つの地域に住む40~69歳までの女性4万7,000人を、平均で17年間追跡調査し、アルコール摂取量と脳卒中との関係を調べた。 追跡期間中に1,864人が脳卒中になり、その内訳は、脳内出血が532人、くも膜下出血が338人、脳梗塞が964人だった。また、292人が虚血性心疾患を発症した。 解析した結果、お酒を1日当たり、日本酒なら1~2合、ビールなら中瓶1~2本、ワインなら1/4~1/2本飲む女性は、「お酒を時々しか飲まない」という女性と比べ、脳卒中になるリスクが1.55倍高くなっていた。 また、日本酒で2合以上、ビールだと中瓶で2本以上飲む女性では、脳卒中のリスクは2.3倍高くなり、脳内出血に限るとリスクは2.85倍に高くなることが明らかになった。 これまで、アルコール摂取量と脳卒中、虚血性心疾患の発症リスクについての研究は男性を対象にしたものが多く、とくに日本人の女性を対象とした研究は、多量飲酒者が少ないことや虚血性心疾患の発症率が低いことなどの理由からほとんど検討されていなかった。 アルコール摂取量と乳がんの発症リスクの関連を調べた別の調査では、お酒を1日当たり、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本を毎日飲む女性では、乳がんリスクが1.75倍に上昇することが示されている。 健康日本21では、男性ではアルコールにして、1日20g程度(日本酒で1合程度)、女性では、より少ない量のアルコール摂取が推奨されている。 研究を行った池原賢代特任助教は、「女性も飲酒する機会が増え、アルコールの摂取頻度や量の増加が予想されます。女性は男性よりも体格や肝臓が小さく、アルコールの代謝が遅いことや、女性ホルモンの影響などから、アルコール摂取量は1日1合未満に抑えるのが望まれます」と、述べている。 多目的コホート研究(JPHC Study)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「アルコール」に関するニュース
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」
- 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年01月27日
- 「孤独」と「社会的孤立」は心臓病・脳卒中・感染症などのリスクを高める 人との交流は健康を維持するために必要
- 2025年01月23日
-
1月23日は「一無、二少、三多の日」
2月1日より「全国生活習慣病予防月間2025 」がスタート! - 2025年01月06日
- アルコールを適量飲んでいる人は肥満リスクが減少 ただし少しでも飲みすぎると健康は悪化 アルコールによる健康障害は深刻な問題に
- 2024年12月25日
-
過去最少の野菜不足でも「改善するつもりはない」 睡眠不足も慢性的
―令和5年「国民健康・栄養調査」より - 2024年12月23日
- 高齢者の食事と運動をどう指導・支援する? フレイル・サルコペニアに対策 「食育健康サミット2024」をオンライン配信
- 2024年12月19日
- 2024年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度