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国民医療費38.6兆円、最高を更新 1人当たり30万円を突破

 2011年度の国民医療費は38.6兆円で、過去最高を更新したと厚生労働省が発表した。国民医療費は3年連続で1兆円以上増え、2013年度には40兆円を突破するとみられている。
国民医療費は38兆5,850億円 5年連続で過去最高
 「国民医療費」は、医療機関で1年間に病気やけがの治療のために支出された費用の総額。受けるのにかかった費用の総額で、公費負担を含んだ保険給付費、公費負担医療費、窓口の自己負担を足したものだ。

 2011年度の国民医療費は38兆5,850億円となり、5年連続で過去最高を更新した。前年度比で1兆1,648億円(3.1%)の増加となった。

 国民1人当たりでは30万1,900円となり、はじめて30万円を突破した。前年度比9,700円(3.3%)の増加で、5年連続で過去最高を更新した。

 1人当たりの国民医療費を年齢別にみると、65歳未満は17万4,800円、65歳以上は72万900円。このうち医科診療医療費は、65歳未満が12万700円、65歳以上が53万6,900円。

 診療種類別にみると、医科診療医療費は27兆8,129億円(構成比72.1%)で、うち入院医療費は14兆3,754億円(同37.3%)、入院外医療費は13兆4,376億円(同34.8%)。

 このほか、歯科診療医療費は2兆6,757億円(同6.9%)、薬局調剤医療費は6兆6,288億円(同17.2%)、入院時食事・生活医療費は8,231億円(同2.1%)、訪問看護医療費は808億円(同0.2%)、療養費等は5,637億円(同1.5%)となった。

 医科診療医療費を主傷病による傷病分類別にみた場合、もっとも多かったのは「循環器系の疾患」で5兆7,926億円(構成比20.8%)。以下、「新生物(がん)」が3兆6,381億円(同13.1%)、「呼吸器系の疾患」が2兆1,707億円(同7.8%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」が2兆898億円(同7.5%)、「内分泌、栄養及び代謝疾患」が1兆9,928億円(同7.2%)と続く。

後発薬の普及で1兆円の医療費を削減
 国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.15%(前年度7.79%)、国民所得(NI)に対する比率は11.13%(同10.62%)だった。

 また、国民医療費の財源を調べたところ、公費は14兆8,079億円(構成比38.4%)で、うち国庫は10兆307億円(同26.0%)、地方は4兆7,772億円(同12.4%)。保険料は18兆7,518億円(同48.6%)で、うち事業主は7兆7,964億円(同20.2%)、被保険者は10兆9,555億円(同28.4%)。その他は5兆252億円(同13.0%)で、うち患者負担は4兆7,416億円(同12.3%)となった。

 政府はこれまで、給付増で足りない財源を国債発行で実質的に穴埋めしてきた。だが国の借金は今夏1,000兆円を超し、将来世代への先送りは限界にきている。

 政府は「税と社会保障の一体改革」にもとづき、来年4月に消費増税を予定通り実施することになった。給付と負担が釣り合わない状況を是正するのが狙いだ。

 一体改革の一環として、厚労省は特許が切れた新薬と同じ有効成分を使って作る「後発医薬品」(後発薬)の公定価格も見直す。はじめて発売される後発薬の価格を、新薬の約7割とする現行水準から引き下げる案を示した。

 厚労省から製造を許可された薬は、厚労省によって「薬価(薬価基準価格)」が定められ、薬価基準に収載されてから販売される。薬価は保険医療に使った薬の代金を病院や薬局が計算する基準にあたる。

 後発薬は新薬と効き目が同じとされ、開発コストがかからない分、新薬に比べて安い。欧米では普及が進んでおり、数量ベースで6~7割のシェアをもっているが、日本では今年3月末では約25%にとどまった。

 ある新薬の後発薬を初めて発売する場合、その薬価は新薬の7割に下げるのが原則だが、厚労省は患者の意向調査で、後発薬を使いたいと思う価格が新薬の50%程度が多かったことから、引き下げ案をまとめた。

 厚労省は18年3月末にシェア60%以上を目指す方針を示している。後発薬の普及で、年約1兆円の医療費の削減効果を見込んでいる。

平成23年度 国民医療費の概況(厚生労働省)
平成24年 薬事工業生産動態統計年報の概要(厚生労働省)

[Terahata]
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